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優しさの定義

骸ツナです。

骸の独白系?
*
*

「骸さんは優しいですね」

なんて、君は言うけれど、一体僕の何を知っているというんだろう。

この化けの皮一枚隔てたここで、どんな事を思って、そして頭のなかでどんなことをしているかなんて少しも知らないくせに。

上辺だけみて、それでやさしい、なんてなんて、なんて、なんて不思議なことを言うんだろう。

それでは、はたして僕が君を知っているかというと、そうではないし、もし君が心の中で僕をこきおろして、早く死ねと、消えろとおもっていたとしても僕はそれを知り得ないし、ただただ君が上辺で嘘くさく「すきです、あいしてます」なんていうのを聴いて「はい、僕もです」と返している。

果たしてそれが真実なのかさへ分からずに、僕はここにある偽物かもしれない言葉に確かに喜びを覚える。

何かの歌で、それならそれが真実だと歌っていた。

僕はそれを何とも思わずに聴いていた。けれどそういうのなら良いかもしれないと今思った。それはなんとも素敵な夢物語だ。

「そうですか?僕は綱吉くんこそ優しいと思いますけれど」

そう、そのまま言葉を返せば、あからさまに照れて、頬を紅くしながらはにかんだ笑みを浮かべる君を心底愛しいと思った。

「.....そんなことないです。俺がもっと優しかったら、今頃骸さんはあんな冷たいところからさっさと抜け出して、俺を殺していた筈ですから」

嗚呼、何と言い得て妙な人なんでしょう。

それが優しさなんですよ、と言っても彼はきっと信じることはないのでしょうけれど。何と愚かな人間だろう。嗚呼、人間とは愚かさ故に愛しい!

「それは優しさとは別のものですよ。僕がまだ牢獄から抜け出さないのは、君が力がないだけですから。優しさとかそう言った感情や性質の問題ではありませんから。」

「難しいことをいいますね」

眉間に皺をよせながら考えているのを眺めながら、未だ考え続ける彼を見つめる。彼は一体なにを言っているんだろうか、そんなのは至極簡単で単純で明快なことなのに。

「要するに、君は僕に優しさを与える立場にないということです。君はおとなしく僕や君が気に入っている仲間とやらに甘えていろ。」

与えながら与えられるなんてそんな対等とは言わない。対等なのは与えられるものは与えられ続ければいいということ。

愛することと愛されることは必ずしも=ではないのだ。

それは「僕」が「君」を好きであるからという単純にして明快な理由。

「よくわかりませんけど.....とりあえず、俺は骸さん好きです」

ほらまた真実かも知れない言葉を積みあげる。

それはなんてインチキにして優しい響きだろう。

僕は目を閉じた。

閉じて、再び感覚を取り戻すときには、世界は闇色に染まっていた。
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