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骸ツナ小説。




「で、デェト、ですか?!」

いきなりの事に、ここが静かな図書館だということを忘れて思いきり盛大に声を裏返して叫んでしまった。
むぐ、と口をとっさに押さえてちら、と周囲に目をやると、 やはり、じろり、と 睨まれている。
いたたまれないながらも逃げる訳にもいかず、 申し訳ないと思っているというのを知らせるように、小さく会釈をした。
図書館員が、何でけぇ声出してんだこら気をつけろよぁあん、とばかりに咳払いをして近くを歩いていく。
綱吉は溜め息をついて相手を見やった。
ミッドナイトブルーの艶やかな髪は些か奇妙な髪型ではあるが、整った美しいビ スクドールのような顔は、左右別の色を宿す瞳の美しさと相まって、見るもの全ての心を奪う。
何故にこな当て付けがましいくらいに整った人間が自分のことを好きだの愛してるだのと言い寄るのか心底不思議だし、 正直いい引き立て役になるからやめて欲しいと思ってしまっていたりするのだが 、そんなこととは露ほども知らず、骸は飽きもせずにやってくる。

「で、何だって?」

なるべく怖そうに聞こえるように言うけれど、全くもってそんなふうには感じないと言わんばかりに満面の笑みで骸は答えた。

「ですから、僕とデートをしませんか?」

「え、と、ごめんもう一回ゆっくり言ってくれるかな、聞き違いしたみたいで」

ふう、まったく君は、と溜め息をついて、今度はそんなこと言わせないと言わんばかりに、艶のある声でゆっくりと、はっきりと一文字一文字はっきりと区切って三度目。

「僕、と、デート、し、ま、せ、ん、か、と言いました。何度も同じことを言わせるとは…そんなに嬉しかったんですか?」

まいったまいったあはははと言ったふうに照れ笑いをする男に腹の底から汗が吹き出る。そしてついでに寒気と頭痛までしてきてしまった。。

「なんで俺とお前がデェトなるものをせねばならんのか答えて頂きたい!てか何故に男とデート!お前は顔はいいんだから女の子を誘えばいいだろ!わざわざ俺を誘うのにはなにか狙いがあるんですかね!」

「そんな。褒めないで下さい照れてしまいます。」

「質問に答えて!」

「前から言ってるじゃないですか。また聞きたいんですかもぉ何回言わせりゃ気 がすむのかこの困った恋人はまぁそんな自信のないところも可愛いです。 好きです愛してますよ綱吉くん!」

一気にまくしたてやがったなこん畜生!
しかも腕まで広げて飛び込んで来いと言わんばかりではないか!
しかし、こころの底で悪態をつきながらも拒めないのが悲しい。

「…わかりました取りあえずここから出ましょう。」

もとより、相手が押して押して押しまくるなら抵抗しようにもできないのが事実 。
しかもここは図書館。このさき騒ぐ自信のある綱吉としてはこのままここにいる訳にもいかない。
早々に図書館を後にするしかないだろう。

綱吉は未だ恥ずかしげもなく大声で愛を宣言している骸を引き連れて仕方なく図書館を出た。


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