amphetamine-六道輪廻-
骸ツナ。
救出にやってきました
*
*
乾きは満たされることなく蝕む。何を、それは自身を。
幾度となく世界を回る。廻る。
生まれ、消えて、生まれ消えて、何度も何度も巡り逢う。
来世こそ君と幸せに。
それだけを胸に。犯した罪さへ愛おしく。君への想いとなって積もり積もる。
嗚呼次こそは、
嗚呼、幸せ、
嗚呼何故こんなことに、
嗚呼。来世こそ。
嗚呼、嗚呼、嗚呼、
堕ちてゆく。
骸は夢現の中ふいに感じた気配の方へ視線をやった。
そこには何度も巡り逢ってきたかの想い人の姿。
時には人でさへなく、また人として巡り逢えても時代の流れに巻き込まれ、
そしてようやく平和な時代に巡り逢う事の出来た人。
「綱吉くん.....?」
呼ぶ声は届いていないのか、返事も返ってこない。身じろぎひとつしないその蔭のようなうすぼんやりとした姿に手を伸ばせば、指先に感じる固く、冷たい感触。
それはコツリと音を立てて、そしてその瞬間に無音の世界に水音が響き始めた。
(そうだ、僕は)
この目が見えないのは、ぼんやりとしているのは眠っていたからでは無かった。
(ここは監獄だ)
収容されてからどれくらい経ったのか、分からないくらいになっている。はじめのうちこそ、何日と数えていた気もするが、憑依状態になって出歩いているうちに数えるのも忘れてしまっていた。
久しぶりに、この冷たく暗い場所で目覚めた気がした。
ほら、どこかで声が聞こえる。
もはや今日ここで久しぶりに目が覚めてしまったから、どちらの世界からする声なのか皆目見当がつかない。
「骸、」
そうこの声は、そうだ、沢田綱吉。
「今、助けるから」
そう、助ける。誰を、何を、
と、水音だけの世界に衝撃と、冷めた空気が触れた。
頬を熱い何かが触れる。
右目の拘束がとれたのか、一瞬にして世界が脳に行き届いた。
見渡せば、薄暗い汚い場所は粉々になり、足下には水とガラスの破片が散乱している。そして、頬の熱いものに伸びるものに視線をたどってゆく。
六道輪廻の見せる過去生か、はたまたアンフェタミンの見せる幻か。
「綱吉、くん.......」
久しぶりに出した生身の声は、思っていたより小さく、掠れていた。
「うん、骸さん、迎えにきたよ」
あの日戦った彼よりずっと大人びて、額の炎も緩やかに、しかし眉間に皺は健在で、
「綱吉くん、」
「はい、」
「綱吉くん」
「はい、」
未だだるい腕をひきずるようにして、小さな彼を抱きしめた。
「ただいまかえりました、綱吉くん」
涙が流れる意味さへ分からずに、けれどこれは仄暗いあの水なのだということにして、彼の肩口に顔を埋めた。
*
乾きは満たされることなく蝕む。何を、それは自身を。
幾度となく世界を回る。廻る。
生まれ、消えて、生まれ消えて、何度も何度も巡り逢う。
来世こそ君と幸せに。
それだけを胸に。犯した罪さへ愛おしく。君への想いとなって積もり積もる。
嗚呼次こそは、
嗚呼、幸せ、
嗚呼何故こんなことに、
嗚呼。来世こそ。
嗚呼、嗚呼、嗚呼、
堕ちてゆく。
骸は夢現の中ふいに感じた気配の方へ視線をやった。
そこには何度も巡り逢ってきたかの想い人の姿。
時には人でさへなく、また人として巡り逢えても時代の流れに巻き込まれ、
そしてようやく平和な時代に巡り逢う事の出来た人。
「綱吉くん.....?」
呼ぶ声は届いていないのか、返事も返ってこない。身じろぎひとつしないその蔭のようなうすぼんやりとした姿に手を伸ばせば、指先に感じる固く、冷たい感触。
それはコツリと音を立てて、そしてその瞬間に無音の世界に水音が響き始めた。
(そうだ、僕は)
この目が見えないのは、ぼんやりとしているのは眠っていたからでは無かった。
(ここは監獄だ)
収容されてからどれくらい経ったのか、分からないくらいになっている。はじめのうちこそ、何日と数えていた気もするが、憑依状態になって出歩いているうちに数えるのも忘れてしまっていた。
久しぶりに、この冷たく暗い場所で目覚めた気がした。
ほら、どこかで声が聞こえる。
もはや今日ここで久しぶりに目が覚めてしまったから、どちらの世界からする声なのか皆目見当がつかない。
「骸、」
そうこの声は、そうだ、沢田綱吉。
「今、助けるから」
そう、助ける。誰を、何を、
と、水音だけの世界に衝撃と、冷めた空気が触れた。
頬を熱い何かが触れる。
右目の拘束がとれたのか、一瞬にして世界が脳に行き届いた。
見渡せば、薄暗い汚い場所は粉々になり、足下には水とガラスの破片が散乱している。そして、頬の熱いものに伸びるものに視線をたどってゆく。
六道輪廻の見せる過去生か、はたまたアンフェタミンの見せる幻か。
「綱吉、くん.......」
久しぶりに出した生身の声は、思っていたより小さく、掠れていた。
「うん、骸さん、迎えにきたよ」
あの日戦った彼よりずっと大人びて、額の炎も緩やかに、しかし眉間に皺は健在で、
「綱吉くん、」
「はい、」
「綱吉くん」
「はい、」
未だだるい腕をひきずるようにして、小さな彼を抱きしめた。
「ただいまかえりました、綱吉くん」
涙が流れる意味さへ分からずに、けれどこれは仄暗いあの水なのだということにして、彼の肩口に顔を埋めた。
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