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死神は歌うように

リボツナ。

10年後設定。微エロ。痴話げんかは狗も喰わない
*
*

死神は歌うように、にこりと笑って、紅いちびるよりもっと紅い口を三日月にして。

白い白い透き通った肌には漆黒の濡れた翅のような睫毛が宝石のように美しい眸を覆う。

眸から狂気を迸らせて、

にい、と笑って、紅い紅い唇を舌なめずり。





どん、と突き抜ける衝動に、意識を手放した。燃えるような紅い視界に、瞬時に終わりを悟った。

最期にみたのは蒼い青いそらと、死神の歌うような、







「おい。てめぇまた無茶しやがったな」

リボーンが漆黒の帽子をはらりと、今書いている書類の上にわざと放り投げた。

ツナは、ん、と分からないという笑顔をつくってつと年下の家庭教師を見やる。そこには、怒りに身をゆだねた燃える眸と、殺気を想像できないくらいにほっそりとした痩身の、少年がいた。帽子と同じ色の漆黒のスーツに身をつつみ、こちらへ向けて愛銃を向けて立つ姿はまるで死神のようだ。

「なん、のことかなリボーン、」

それよりそれ、危ないから早く仕舞ってくれよ、隼人が来てまた騒ぐんだから。まあ座って、あ、そこはだめ、こっちじゃないと顔が見えないから。

なんてまくしたてて、わざとリボーンが次に話すであろう内容をなるべく先送りにしてしまおうとするけれど。

「おい、きけ」

有無を言わさず厳しい、誰もを従わせる事のできるくらいな絶対的な声が響いた。

「ん、っと......あ!ちょっと待ってて、いまお茶入れるから!あ、美味しいお菓子もあるよ。俺が気に入ったからこの前隼人が持ってきてくれたんだよ。あとね、恭弥さんにもらったチョコと、あ、あ、骸さんにもらったクッキーとか。あと、あと、コロネロがこの前くれたジェラートとか、そうだ!お茶はザンザスさんにもらったやつにしようか」

そこまでつっぱしって言ったというのに、あっさり、

「綱吉、」

この声には逆らえない。ぎらりとこちらを見る眸が、獰猛な獣の眸だった。

いつもはダメツナとかツナとかおいとかお前とかそういう呼び方なのに、たまにツナヨシと呼ぶ時だって変に外国発音にするくせに、こんな時だけしっかりと漢字によめるくらいにきちんと読んでくる。支配する声で。何もかも明け渡してしまうような声で。

ツナはふう、と息を吐くと、仕方なく、リボーンの座るソファの正面に座ろうとする。けれど、またそこでリボーンが「綱吉」と呼ぶから、不覚にもリボーンの隣に腰掛けてしまった。

リボーンはしっかりと、すかさず腰を捕まえて、引き寄せてくる。

「無茶をするなと何回言ったらわかるんだ、この劣等生が。」

一体どれのことを言っているのか分からないくらいにこの世界にきてから無茶のし通し。

「どれのことか分からないって言ったら、」

「だろうな、オレが言ってんのは昨日の抗争のときのことだ」

ああ、と答えて思い出す。先日の抗争は外国から流れてきたこの国の縄張り事情も何もしらないマフィアが、ボンゴレのシマでは麻薬売春などの行為を許していないとも知らずに縄張りを荒そうとしたためだった。

外国からきた物だから、どれくらいのランクなのかは分からなかったが、恐らく格下だろう武器の扱い方からわかった。隼人の、ボス直々に来る必要も無い格下だと言われたけれど、隠れているのも癪だったから、自ら制裁を加えにいったのだ。

しかし、そこでわかったのは彼らの目的が、綱吉自身だったということだ。(と、言っても彼らは其処がそのツナヨシの縄張りだとも知らずにツナヨシを探す片手間に麻薬売春をさせようとしていたのだが)そこで、ツナが自分で囮となり、外国のマフィアを殲滅を成功させたのだった。

彼らの収入源は悪趣味なブルジョアたちへの人身売買などなどだった。

なんとも胸くそのわるい事件だったとツナは回想を終わらせた。

「んでもまあこれで無事、殲滅成功した訳だしいいじゃん」

「そういう問題じゃねえだろ。お前はボスなんだ。」

「はあ、ボス......ねえ」

ため息をついて、うつむくと、いつの間にか、リボーンの手が重なっていた。そっと壊れ物を扱うみたいに、そっと手が置かれていた。

「そもそもお前、オレが変態を撃たなかったら掘られてたじゃねえか。あんな格好して好さそうにひいひいあのデブに濡らされてな。お前が銜え込んでたのが玩具でよかったってもんだ。これであのデブのだったらもうボンゴレはおしまいだ。(見たときは嫉妬で狂いそうだったぜどうしてくれんだ溺れさせやがって)」

手に重なっていた指達が、ゆっくりと頬までやってきて、撫でる。それを抵抗しようと、腰に巻き付いた腕を外そうとする。

「元はと言えばリボーンのせいだから。」

外そうとすればするほど、ぐっと力を入れて引き寄せられる。いつのまにか、抱き合うかたちになってしまった。

「なんでオレなんだよ」

「知らない!(お前が愛人に行くの知ってるんだからな)」

頬を打とうとしたのに、そのてを掴まれてしまった。

(自分で俺のことこんなにしといて、俺を置いて愛人と寝る奴なんて最低だね!反吐がでる!それで俺が他の男と寝たらそいつを殺すんだから)

「仕方ねえだろ。愛人と寝るのも俺の仕事だ。」

「人の思考を読むな!」

「読んでねえよそんな気がしただけだろ。寝ないと得られない情報もあんだからな。」

「そんなこと別に聞きたくない。」

「そうかよ。.........お前はどうなんだ、俺が居ない間、何人と寝たんだ」

そらきた。自分のは仕事だからいいのに、俺のはだめなんだ、と思いながら、ソファの背もたれにぐりん、と首をそらした。執務室の大きな机の向こうの窓に、青空が見えた。

反対に、室内は暗い。視線を移した先にあるリボーンの唇の色だけが異常につややかで、ぎらついた眸が金色に光った。

「おい、答えろ」

こういうとき、不意に、むちゃくちゃな数を言ってやろうかと思う。多ければ多い程、彼の殺す人数は増える。それだけ、彼が罪を背負うということなのだから。

でも結局、彼に罪を負わせて悦を得るよりも、無駄に殺されてしまう人に申し訳ないので、いつも正確に過たず答えてしまう。嘘は、つけなかった。

だから、学習する。殺せない人間と寝ればいい、ということに気がついたのだ。

「さてね、何人かな」

忘れちゃった。と言い終わるまでに、体はソファに沈んで、唇からさびた味がにじみ出る。深く貪るような口づけに、束の間息をするのを忘れた。
「......っふ、ぁ」

口端から飲みきれない二人分の唾液が滑り落ちた。

唇にじんと広がる痛みと、口内に広がる錆びた味に、現実に引き止められる。高級なネクタイが、するりと外されて、両腕を拘束する枷となる。シャツからボタンが跳ねとんで、床を転がっていった。胸元に外気が触れて眉を顰めた。

胸に、首筋に、鎖骨に、熱い感覚。

リボーンは睨むようにツナの眸を捕らえながら、

「言え。オレは嫉妬深くてな、不貞を許せるほど寛大じゃねえんだ、よ。言わねえと何するか分かんねえぞ」

嫉妬にぎらつく眸に、濡れた色が重なる。

「むちゃくちゃにすればいいよ」

あの変態がしたみたいに、愛人に、いつもするみたいに、意識がなくなるくらいにすればいいだろ、

挑むように、睨むリボーンをにらみかえす。その瞬間、リボーンの眸がさきに戦意を失った。

「(オレもまだ嫉妬されてるくらいなら捨てたもんじゃねえな)ふん、愛人にするみたいに、てのは理解できないけどな。丁度いい、久しぶりだ、制御がきくかわからなかったところだ。めっためたにしてやるよ。後で泣いて許してって言ってもやめねえから覚悟しとけ」







昼間の執務室、日差しが一番強くなる事、部屋のなかは暗くなる。

死神は暗闇に乗じて、



歌うように愛の言葉を紡ぐ








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