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余白

リボツナ。

たまたま某所にてリボツナを読んで、もしかすると骸ツナの次に好きかもしれないと思ってたら書きたくなってきたので。。

続きます。
*
*

「・・・・あれ、リボーン、ここ・・・・」

視線のさきには空白。

白く空いたその空白は、一体なにを表していたのか、綱吉は首を傾げた。







イタリアの空は青く晴れ渡って、今日、ようやく25歳の誕生日を迎える綱吉の心まであたたかにした。

日本を離れて早いものでもう10年も経ってしまった。けれど、相変わらずこの小さい背も、男らしくない軟弱な体も、猫っ毛な髪質も変わっていない。ただ、変わったと言えば、人を殺す事と使うことに慣れてしまったくらい。

何百人と使えるファミリーの人間の頂点に立つものとして、守られることも、逆に、ファミリーを背負って皆を守る事も、ようやく板についてきた。当然、敵対する格下ファミリーとの抗争となれば、隠れてなんていられない訳で、当然人も殺してしまう。抗争以外でも、会談中に暗殺を目論む輩から毒を盛られることもある。ボンゴレのボスとなったその日から、休まることなくこの身は危険にさらされ続け、そしてその危険をかわした分だけ血を浴びて来てしまった。

そうすると、だんだん日本に帰る気も失せて、仕舞いには学生時代の自分を知っている人間と連絡を取る事すら無くなった。(と言っても連絡をとるような人間は殆どは居なくて、いるとしてもそれは今、ファミリーの一員となっているのでわざわざ連絡をとる必要もないのだけれど)まぶしいほど綺麗だった過去なんて、もう捨ててしまいたかった

「ふう、今日はもうこれで終わり。あー疲れた!」

うーんっっと猫のようになって伸びをして、向かいにあるソファセットで寛いでいるリボーンを見た。

全身黒尽くめは変わっていないけれど、昔は理解できなかった(でもビアンキは知っていたであろう)彼の魅力というのがようやっと理解できるようになった。

彼は、この世の物とも思えない位に美しかったのだ。そして、紳士だ。全てにおいて完璧な男だったんだ、と気がついた。成長するごとに美しさは際立って、今はもう追い越されてしまった背も、すらりとした体なのにどこか威圧感さへ感じるくらいに高く見えた。まだ14歳だというのに、何故か背が高いのは、日本人と外国人の違いだと信じておこう。山本や、隼人はまだ抜かされてないけれど。



「ふう」

「何じろじろ見てんだ、殺されてーのか」

後ろを振り返る事無く、手にしていたコーヒーを手放す事無く、先ほどと同じ格好でまるで空耳かと思ってしまうようだったけれど、リボーンは言った。

「ん。別に、何もないけど。(男同士なんてキモイって言われるかも知れないから絶対言わないけど。どこで情が移ったのか、なんでこんな恐ろしい人好きになるんだか俺はやっぱりだめな奴だな。これで一生独り身決定じゃんか)」

ぼうっと考えていたら、すぐそこに切れ長の眸が見えて、驚いて椅子から転げ落ちそうになってしまった。もちろん、すかさず抱きとめてくれる訳で。

「おめえな。何もないってこた、ないんじゃないのか」

そのまま抱かれたまま、ソファーにそっと連れて行かれる。もちろん、居場所は彼の膝の間なわけで。何で年下しかも10歳以上、に抱きかかえられてしかも移動までされてしまって、あげく膝の間なんて。考えてみれば屈辱的だけど、リボーンなら特別だった。

(とうてい14歳には見えないと思ってたけど体まで14歳じゃないもんな)

「なんでそんなに背が高くなっちゃう訳?」

「たりめーだろうが。お前が特殊なんだ。日本人でしかも成長しないお前とは違ってな、」

ふん、と片方の口角だけ上げて笑う笑い方も、小さいころよりもなんだかとっても魅力的だ。

「はあ、別にいいけどね、(愛人なんて腐る程いるんだろうし、まだボスとしてこうしてずっと一緒にいられる方がいいよね)」

「・・・・何だ、」

言ってすぐに立ち上がり、

「今日は昼から俺の誕生パーティーしてくれるんだって?嬉しいな〜」

執務室にあるクローゼットを開く。

「もう、どれを着ていいやら....皆当日にはこれをって持ってくるもんだからねえ困るなあ...」

クローゼットには、もちろん一流の店で仕立て上げたデザインの美しく、生地も素晴らしいスーツが並んでいる。皆が皆、綱吉に親しくしている部下たちがこの部屋にやってきて、当日はこれをきてくれだとか、着ないとかみ殺すとか、着てくれないと俺がひどい目にあうから後生だ、これを着てくれよ、とか言って置いて去って行くものだから、自室とはいえプライベードルームではないこの部屋に、黒い替えのもの以外のスーツが並ぶことになってしまった。



「これにしろ」

放ってこられたスーツを床に落とさないように慌てて受け取る。

「これ??黒スーツだ・・・。ま、じゃあこれにするかな」

言って、着ようと用意されたシャツやスーツの上下、ネクタイにいたるまで、ふと気がついた。

(あれ、この匂い、どっかで......それにこれ、リボーンがいつも着てるスーツのとこと、一緒?)

考えて、突然、想い至ったそれに、予期せず頬が染まってゆくのを感じた。









パーティーは順調。招かれてやってきた友好関係にあるファミリーに挨拶をして周り、こんな機会しかお話できない、と群がるファミリーの下っ端あたりに取り囲まれて話したりと、忙しく行き来していたから、リボーンは当然ついてこないものと思っていたのに、結局終わるまで常に斜め後ろにいた。(もちろん、そのお陰で群がる下っ端達は数分単位で散っていったのだけれど)

「おつかれさま、リボーン、連れ回しちゃってごめんね」

「いや、」

そう、言ったその瞬間、何かが空を切って、頬を擦った。

「なん......」

次いで、雨のように降り注ぐ銃弾が、手の甲を擦った。

「・・・っち、おい、こっちに走れツナ、」

そうだ今日は誕生日。今まで誕生日が無事に過ごせたときなんてなかったななんて頭の奥底で考えながら、冷静に胸のポケットに仕舞った銃を、右手が掴んでいた。

取り出して、一瞬めに映る手は、血に濡れていた。

遠くの方で駆け寄る守護者とファミリーたちの気配と声を聞いた気がしたけれど、もう遅かった。

「いいよ、リボーン、俺がいく」





言って、さっさと今玉が飛んできた場所へと跳躍した。


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