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夏のある日の出来事

露日
(微々たるものですがWW2が匂わせてあります)

(タイトルで分かるように夏にうpする筈だったものです。)




夏のある日の出来事













恐ろしいまでの赤い色をした空に、ぞっとして目を背けた。
目を背けても、周りの景色も赤く染まって、逃げ場が無い。どこか誰か、と内心では叫んでいるのに
喉は一切の言葉を音にしない。
そうしているうちに頭が壊れそうな程に痛くなって、動く事もままならなくなる。
もうあの季節はすぐ側までやってきているのだ。
呼吸が乱れ、冷や汗が額から顎を伝って喉に落ちた。
手足の感覚が遠のくのが分かる。じわり、じわりとひんやりとした何かに絡めとられるようにして最後には真っ暗な闇に落ちた。

次に目を開けた時、一番始めに目に飛び込んできたのは、真っ白い布だった。
体を優しく包むその白い布は、ふわっと軽く、自分がどこにいるのかは定かではないが、何かベッドに寝ているのだという事だけは分かった。
白い布団から香る、嗅ぎ慣れた匂い。
甘い香りだ。
「・・・・ロシアさん・・・?」
また落ちようとしている瞼を必死に開けて、上手く声を紡がない喉を精一杯使って小さく呟くと、近くで大きな音がしてすぐに視界を覆っていた白い布が取り除かれた。
「日本くん!?・・・起きたの?!ねえ、平気?どこも痛くない?変じゃない?」
矢継ぎ早に質問されて、自分がどうしてこの場所にいるのかすらわからないというのに、しかし彼の様子からすると何か大変な心配をかけてしまったらしい。
「ええ、平気です。どこも痛くありませんし、変でもありません。ただ、私はどうしてここにいるんでしょうか?」
「ああっ・・・あのね、僕が・・・君の様子を見にいったら、君は庭で倒れてたんだ。何回呼びかけても起きてくれなくって、それで、どうしたらいいかわからなくって、とりあえず僕の家に・・・。本当に、ごめんね?もっと早く気がついてればよかったのに・・・・」
だんだん不安げに声を小さくしながら、ロシアさんは言う。
「なるほど、そう言う事したか。・・・ご迷惑をおかけしましたね」
徐々に記憶が繋がって、そうだ自分がいつの間にか気を失っていたのだということで理解した。
あまりにも空が赤く、過ぎ去った時間に気付かず溺れて絡めとられていたようだ。
どうにも、この季節は過去の記憶に囚われ不安定になり、落ちてしまうことが多い。未だ傷は完全に癒えてはいないということだろうか。
ふとした時に、燃え上がる人の影や、黒く焼き付いた地面、降りしきる黒い雨、赤い焔が街を舐める様が、その場にありありと蘇るときがあるのだ。
このひと月、ふた月の間だけの事ではあるのだけれど。
ふ、と息をついて、胸の辺りでまだべそべそと涙ぐみながら心配そうにこちらを見つめてくる紫色の眸を見返す。
「馬鹿な子ですね。そんなに心配しなくったって、私は人ではありませんから死んでしまったりしませんから安心してください。」
「そんな・・・!そういう問題じゃないよ!人じゃなくったって、痛いし哀しいし、死にそうになったりするのに・・・!」
涙目で言い返してくる彼を、でないといつかその眸が涙で溶けてしまいますよ、封じ込める。
彼はハッとして慌てて目をごしごしこすって涙を拭いた。
彼はその物言いから恐れられる事が多いが、それは子供らしい純粋な思いをそのまま口にするからだと知っている。今も、本当に目が溶けてしまうのだと思ったに違いない。
そう言うところが可愛いと思うのだが、それを言えば彼は必ずむっとして頬を膨らますから、今は心のうちに留めるだけにしておこう。
「心配をかけてしまいましたね。もう大丈夫ですよ。・・・ですが、今日はそのままここに居たいんですが・・・いいですか?」
「え!本当?!日本くんここに居てくれるの?あのね、美味しい鮭あるよ!一緒に食べよう?」
ロシアさんは満面の笑みで、周りに花でも散らしているのが見えるくらいだ。
ころころ変わる表情もかわいらしいし面白い。
「鮭ですか。それはいいですね。私が何か作りますから、ロシアさん、手伝ってくださいね。」
彼の笑顔につられてこちらも自然と笑みがこぼれる。
「うん、あのね、僕、シチューがいいな!」

相分かったと髪を撫でたら、彼は頬に口づけて、
「Я всегда думающий о вас」
と言った。









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ロシア語部分は自動翻訳機に頼ってしまったのでちょっとニュアンスがちがうかも知れないです・・・。
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