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寒露

露日
リハビリに書いた。







寒露ー菊の花、開くー
瞬く間に空を覆った冬の雲が、冷たい空気を運んで来て、一斉にこの地を冬へと導く。
吐く息が白くなるのは流石にまだ先のことであろうが、それでも、朝晩は冷え込んでいけない。
夜の間にしっかり冷えた家の中の空気が、ふと目が覚めた自身の手足を凍えさせる錯覚に陥る。
しかし、膚に感じるのは温かい、自分の物ではない、適度な湿度を持った誰かの体温で、うつらうつらとまた意識が睡魔に引きずられそうになるのを、とどめた。
「ろ、しあさん?」
そうだ思い出せば昨夜、閨を共にしたのだった。
とっさに体を隠そうにも、こうも隙間無く密着してしまっていては、シーツを間に挟むことすらできないので、頬が熱くなるのだが、心地良い彼の温度に目を細めた。
自分のものよりもずいぶん色の薄い膚だが、厚みが有り、がっしりとしていて、普段あどけない表情をつくって怖い事を言ったりする彼ではあるが、古くからの友人で、すこし堅物の彼の人と似た体をしている。目の前の彼の方が、幾分か油が乗っている雰囲気ではあるが。
「ん・・・?にほんくん?ふあ・・・起きたの?」
そうこうしているうちに目が覚めたのか、甘ったるい声が頭上から降ってくる。
見上げれば、目を瞬かせるロシアさんの整った顔がある。
「ええ、先ほど起きたところです。」
「ふあ・・・まだ寝てようよ・・・日本くんの感触気持ちいいんだもの・・・」
「・・・・感触とかそういう直接的な表現は控えていただきたい」
口ではそういうものの、心の中のほかほかと温かな物に、笑みを浮かべた。
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