忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

じじい、陥落

ロマ日
ふざけたタイトルでサーセン
じじい、陥落












今日はやけに飲むなあ、とその時はそれだけだった。
別に、彼と一緒に居るからといって、浮かれている訳ではない。
久しぶりに会議が終わってから休日をもぎ取る事が出来たので、これはこの機会を逃す手はあるまい、と兼ねてから行きたい行きたいと思っていた、イタリアの中でも独特の文化を持つ島、サルデーニャへ行きたいとヴェネツィアーノくんに尋ねてみたのだった。
彼は、それなら兄の方が詳しいと、ロマーノくんに案内役を頼んでくれた。もちろん、自分も一緒に行くから、と約束をして。
ロマーノくんとも連絡を取り合って、美しいサルデーニャへ足を踏み入れたのだった。
「おい。日本、お前も飲めよ!」
いやに上機嫌で、ワインをしこたま飲んだ所為で赤くなった顔でこちらへずずいとワインがなみなみと注がれたグラスを差し出した。
もう、何杯目かわからない。
「ええ、飲んでますよ?・・・・でも・・・ちょっと、ロマーノくん飲み過ぎじゃないですか?」
彼を止めてくれる筈のヴェネツィアーノくんは、何がどうなったのか今日になって来れなくなってしまったと言って、泣きながら電話をくれた。
だから、今日は何が怒ろうとも自分と彼の2人しか居ないのだ。彼の別荘があるからと、ホテルは取っていないが、バルは季節柄かすごい人出で、女性と楽しそうに談笑しているカメリエーレやバリスタが、はつらつとした顔で舞うようにあちらからこちらへと行き来している。
それにしたって、一体何故こんなに彼は飲んでいるのだろうか。
絡み酒とは・・・・・、と思いながら、彼を見ると、普段とはまるで違って大人っぽい顔つきで酒をあおる彼の緑色の目とかち合って、なんだか恥ずかしくなって顔をもどした。
酒に強いとは言えないが、ワインでは些か酔えない自分に、彼は飲んでいないと勘違いしたのかもしれない。
しかし、それにしたってもうこんなに饒舌になるくらいだから、彼は相当酔っているに違いない。
「あの、もうそろそろ家に戻りませんか?ロマーノくん・・・。」
「なんでだよ!」
「だって、貴方酔ってるじゃないですか。」
頬も赤いし、いつもより饒舌なのは確実に酔っているだろう。しかし、かれは以外とはっきりとした声で、ぴしゃりと言って退けた。
「酔ってない。」
その物言いに、「酔ってますよ」とこちらも意地になって言い返すが、やはり彼はそれを否定した。
「酔ってねえ」
「・・・・・酔っぱらいは総じてそういいます。」
とどめと思ってそう念を押すと、観念したのか、彼はようやく押し黙った。
「・・・・voglio che tu sia solamente mio・・」
「え?」
突然彼が2人の共通語でないイタリア語を離したので、聞き逃してしまった。というか、それなりにイタリア語はできるのだが、耳がわざと聞き逃したのかもしれない。自分の希望をそのまま幻聴で聞いてしまったのに違いない。
そんな言葉だったのだ。しかし、聞き返すと、酒の所為とは思えないくらいに彼は真っ赤になって、目をそらしてしまった。
「お前にとって、俺が孫かなんかみたいなもんだってのは、分かってる。・・・だけど・・・・俺はお前のこと愛してる、から、コレから口説き落とすから覚悟しやがれっ爺!」

淡い恋心とも親心ともつかない感情が、はっきりと愛に変わった瞬間だった。
PR

西條事情

店主:西條

リンク:同人サイト様のみ
店名:三日月商會
アドレス:http://blaueterra.blog.shinobi.jp/
メルフォは下にあります。

contact

何かありましたらこちらへどうぞ