継ぎ木
伊日。
みじかーーーいお話。
みじかーーーいお話。
継ぎ木
ぽかぽか陽気の下で、ふんわり甘い春の風が舞う。
ふよふよと彼の髪のくるん、としたところもふわふわと揺れる。
桜色の花びらが、少し冷たいながらも太陽の光で温められた風に吹かれて散る。
桜の木の下で、お決まりのレジャーシートを敷いてお決まりの花見弁当をつついていた。
「イタリアくん、お口に合います?」
もくもくと咀嚼していた彼が、ん?とこちらを向いて、にっこりと微笑んだ。
「うん!もちろん。日本のお弁当って、いつもすごいね~。目移りしちゃうし、全部美味しいし。」
「そうですか・・・?気にいっていただけて嬉しいです。」
ふわりと風が舞った。
甘い時が流れて、食事もいつもよりずいぶん美味しく感じる。
いつも通りの、ご飯におかずという形で、すこし春を意識してはいるが、毎度毎度のことで、何年もこの時期はこうしているから、これと言った感動も、もうないのかもしれないと思っていたから、そう言ってもらえてホッとしているのだった。そうすると、我ながら、料理もおいしく感じるのだった。
あたりにはぞくぞくと花見の客たちが集まって来ているが、平日のこの時間。大人が静かに花見の弁当を持って本当に花を見ながら弁当を食しているだけである。
今年は春が来るのが遅かった。ようやくやってきたこの暖かさに心底人々は喜んでいるようだ、自分も、近々冬物の洋服や、ウールの着物を仕舞おうかと考えているところだ。
「俺の家にも桜、植えようかなあ・・・・」
イタリアくんがぽつりとそんなことを言った。
「桜、ですか、どうしてまた・・・。」
実は毎年ここにくるのが面倒で仕方なかった、とかそういう理由だったら崖から海に身投げしたい。毎年この時期に先駆けて手紙を送る自分がなんと迷惑なやつだと思って叱ってやりたい。
彼は確かに間を置かず、年に何度もやってくるし、会議でもあう事が出来るから、さほど力を入れて「招待」ということもないのだが、でもやはり、この時期の自分の国が一番美しいと思うから、何故か毎年、見頃が分かると連絡をしてしまう。連絡をすればもちろん、かれはイタリアからすっとんで来てくれるのだった。
「はは、日本ったらすごい顔ーーー!そうじゃないよ。だってさ、桜を植えて、毎日様子を見て咲いたら、すっごく嬉しいと思うんだ~~ヴェッヴェッ!今もそうだけどさ、もっともっと毎日ずっと日本の隣に居るような気がするから、幸せになれると思うんだ。」
あまりにも酷い顔だったのだろうか、イタリアくんは珍しく吹き出した。
「・・・そ、そうです・・・か?」
確かに、自分のところでは好きな国ランキング一位にイタリアが上がる程、イタリア料理もどこに言っても食べる事が出来るし、文化に触れる場所も沢山あるが、まだまだイタリアやヨーロッパには少ないのだ。増えているとは言っても、本当の日本を知る彼にしたら、日本人以外が売れる商売だと言うのに目をつけて日本を模してつくったものには興味を持てないのかもしれない。
「じゃあ、今度、あなたのお家に私の家のもので良ければ、枝をお分けしますね。・・・お届けにあがりますから、待っていてくださいね。」
笑えば、イタリアくんも花を咲かせて大きく頷いた。
ぽかぽか陽気の下で、ふんわり甘い春の風が舞う。
ふよふよと彼の髪のくるん、としたところもふわふわと揺れる。
桜色の花びらが、少し冷たいながらも太陽の光で温められた風に吹かれて散る。
桜の木の下で、お決まりのレジャーシートを敷いてお決まりの花見弁当をつついていた。
「イタリアくん、お口に合います?」
もくもくと咀嚼していた彼が、ん?とこちらを向いて、にっこりと微笑んだ。
「うん!もちろん。日本のお弁当って、いつもすごいね~。目移りしちゃうし、全部美味しいし。」
「そうですか・・・?気にいっていただけて嬉しいです。」
ふわりと風が舞った。
甘い時が流れて、食事もいつもよりずいぶん美味しく感じる。
いつも通りの、ご飯におかずという形で、すこし春を意識してはいるが、毎度毎度のことで、何年もこの時期はこうしているから、これと言った感動も、もうないのかもしれないと思っていたから、そう言ってもらえてホッとしているのだった。そうすると、我ながら、料理もおいしく感じるのだった。
あたりにはぞくぞくと花見の客たちが集まって来ているが、平日のこの時間。大人が静かに花見の弁当を持って本当に花を見ながら弁当を食しているだけである。
今年は春が来るのが遅かった。ようやくやってきたこの暖かさに心底人々は喜んでいるようだ、自分も、近々冬物の洋服や、ウールの着物を仕舞おうかと考えているところだ。
「俺の家にも桜、植えようかなあ・・・・」
イタリアくんがぽつりとそんなことを言った。
「桜、ですか、どうしてまた・・・。」
実は毎年ここにくるのが面倒で仕方なかった、とかそういう理由だったら崖から海に身投げしたい。毎年この時期に先駆けて手紙を送る自分がなんと迷惑なやつだと思って叱ってやりたい。
彼は確かに間を置かず、年に何度もやってくるし、会議でもあう事が出来るから、さほど力を入れて「招待」ということもないのだが、でもやはり、この時期の自分の国が一番美しいと思うから、何故か毎年、見頃が分かると連絡をしてしまう。連絡をすればもちろん、かれはイタリアからすっとんで来てくれるのだった。
「はは、日本ったらすごい顔ーーー!そうじゃないよ。だってさ、桜を植えて、毎日様子を見て咲いたら、すっごく嬉しいと思うんだ~~ヴェッヴェッ!今もそうだけどさ、もっともっと毎日ずっと日本の隣に居るような気がするから、幸せになれると思うんだ。」
あまりにも酷い顔だったのだろうか、イタリアくんは珍しく吹き出した。
「・・・そ、そうです・・・か?」
確かに、自分のところでは好きな国ランキング一位にイタリアが上がる程、イタリア料理もどこに言っても食べる事が出来るし、文化に触れる場所も沢山あるが、まだまだイタリアやヨーロッパには少ないのだ。増えているとは言っても、本当の日本を知る彼にしたら、日本人以外が売れる商売だと言うのに目をつけて日本を模してつくったものには興味を持てないのかもしれない。
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笑えば、イタリアくんも花を咲かせて大きく頷いた。
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リンク:同人サイト様のみ
店名:三日月商會
アドレス:http://blaueterra.blog.shinobi.jp/
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