忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

まだ行かないで

伊日。
誕生日のお話。「本当は怖くない〜」の続き的な^^
「お誕生日おめでとうございます」
言ってわらうから、この世に命を頂いて良かった!と思う。
けれど、どうして誕生日が一日で終わってしまうんだろうと神様をうらむ。欲深いから、まだもっともっと彼と一緒にいたいと思うのだ。
今日の夜遅くに、彼はひと月の滞在生活を終えて、自国に向かって帰ってしまうのだ。確かに、会議で何度だって会うし、自分も隙を見つけては日本に飛び立っている。でもどうしても、別れる日はつらい。


「結局、いつもと同じようなことで、すみません…。フェリシアーノくんはいつも頑張ってくださるのに…」
眉をハの字にして、もうすでにいつもの着物姿の日本ははあ、とため息をつきながら、テーブルに料理を並べる。色とりどりの日本流のパーティーメニューだ。
「ヴェ?俺?」
ことん、と置いたのは蛤の吸物で、三ツ葉がはらりと浮いているのが美しい。
「はい。だって、今年はアマルフィでしたし、その前だって…なのに私ときたら、いつも同じ、いつでも食べれる料理ばかりで…プレゼントも芸がないというか…」
「プレゼント?俺、今回のプレゼントはすっごく衝撃的で官能的でよかったけどなぁ~それに、ネクタイも凄く気に入ったよ?」
その、今回のプレゼントというのは、日本が世界に誇る男性用のとある道具のことで、おしゃれなフォルムにカラーリング、それに加えての機能性に高い評価を得ているものだ。彼曰く、限りなく本物に近い偽物。
恋人と離れたところに暮らしていてめったに会えないけどどうしても我慢できないときに、だけど風俗の手は借りたくない、という貞淑な人間が使うものだと思う。
因みに、身を持って使い方を説明させた自分の意見としては、確かに恋人の持っているあれやこれと似てはいるが、要らない。その一言につきる。やっぱり作り物は作り物だということだ。でも、それに自分を挿入することはなくても、挿入させた恋人とその痴態を目の奥に焼き付けたからには、そういう使い方が出来る。
「なっ!」
あんなに煽情的に体を開いて溶けるくらいに繋がった後のこの反応に、またじわりと欲が滲む。
「ヴェ~……。」
それに、貰ったネクタイも、兄にも贈ったというのは気に入らないが、一目で分かる上質さだ。色や質感、うっすらと分かる柄もとてもセンスがいい。
「あ~あ…行って欲しくないな…」
テーブルの上に置かれた細い手を掴む。
上目遣いでみたら、これ以上無いくらいに赤くなって顔を背けた。
「・・・・ご飯が冷めてしまいます」
「・・・・先に、食べようかな」
日本食は冷めても美味しいけれど、やっぱり熱いうちに食べたい。
「いただきます!」
「はい。お上がりください。」
思った通りの美味しいご飯に舌鼓を打つ。
美味しいし、楽しいけれど、その分、どんどん2人の時間が終わりに近づいてくるのが分かる。
ああもっとここへ行きたかったな、とか、もっと2人で家の中で満喫したかったなとかいろんなことが頭をよぎる。
あんまりにも上の空になってしまったのか、目の前に居た日本が、
「くすっ」と笑ったのにも気がつかなかった。


「フェリシアーノくん、貴方のそんなところ、とっても好きですよ。愛してます」




「おい、ヴェネツィアーノ!お前聞いてんのか?」
ほんわりした昼下がり。シエスタもぐっすりして、面倒だけれど予定の会議を始めたところである。
欧州の会議であるから、あの艶やかな黒髪も、バター色の膚も見える事は無い。
窓からみえる青空を白い飛行機が飛んで行く。今頃、日本も仕事をしているのだろうか。
「おい」
「ヴェええええええ!い、痛い!痛いよ兄ちゃん!」
「お前が聞いてねえからだろうがこのケ・バレ!」
ああ、日常に戻ってしまえばこんなものか、と頬杖をつく。隣でまた兄のいらついた声が聞こえたけれど、今はまだ、夢の余韻から出られそうにない。

「あーあ、日本に会いたいなあ・・・」


PR

西條事情

店主:西條

リンク:同人サイト様のみ
店名:三日月商會
アドレス:http://blaueterra.blog.shinobi.jp/
メルフォは下にあります。

contact

何かありましたらこちらへどうぞ