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大人な子供の恋愛事情

仏日。こんなはじまりの仏サイド。微エロ
大人な子供の恋愛事情














目が覚めたら、多分覚えていないんだろうな、と思いながらも、細く、折れそうなくらいに華奢な体を抱きしめた。
そうしたら、珠の汗を浮かべたまま、にこりと彼は笑った。

「どうしちゃったの?お兄さんに言ってごらん?」
会議の後、あまりにも表情を強ばらせ、顔面蒼白としていた日本を、落ち着いた雰囲気のレストランに誘ったのはつい何時間か前の話だ。
初めは、遠慮して言おうとしなかったが、ワインが進むにつれて、ぽつぽつと話し始めた。誰にでも訳もなく自分を貶めて虐めて、つつきまわしてしまうことはある。些細なきっかけでそれに陥ると、今の自分がどうしようもなく救いがなく見えてさらに落ち込む。
今の日本はそんな感じだった。
食事を終えて、バーに流れた頃には、感情をこらえきれなくなったのか、大粒の涙をこぼした。
こんなところで、美味しいシチュエーションだな、とか、可愛い泣き顔、とか頭の隅で考えている自分はさらに酷い奴だ。
敵が多いから、この姿を見られた自分はラッキーに違いないが、と同時に、いや、それって逆に全く意識されてないってことか?分からん。とも思う。
「日本、俺が送ったげるから家に帰ろうね。」
そう言って抱いた肩が、細くてドキリとした。

初めて会う前から気になっていた訳だけれど、こういう好きになったのは多分最近だと思う。
もちろん、その頃も、考えつかないような発想をする彼に一目置いていたし、知り合ってからもその奥深さに果てない思いを抱いたりもした。
しかし、難しいが、可愛い女の子を見て、「いいな、」と思ったり、あの子を好きだった時の感情とは少し違う気がして、何というか、そう、次元の違う好きだったのだが、長く続いた戦争が終わり、アメリカやイギリスの監視の隙間にイタリアを連れてやってきた時なんかに、あれ?と思ったのだった。
自分自身も、観光客が、フランス人はプライドが高いから、英語は絶対話してくれないとか、住みだしてからみんなに心を許してもらうのに時間がかかるとか散々な言われ様なのだが、今まで彼が見せていたのは内と外でいうなら外だったのかと気がついたら、もうどうやっても、その、内に入りたくて仕方がなくなっていた。
それに気がついたら、自分はとてつもなく彼が好きなのだとわかった。
次元が違ったのは、自分を捉えてくれない人間を好きになりたくない、と言うのか、まあ平たく言えば意地をはって拗ねていたということだった。

「じゃあ、いえにかえってのみます」
呂律が怪しい舌っ足らずな話し方の日本も新鮮だ。
「うん、そうしようね、付き合うから。だからはやく、立って。じゃないとお姫様の刑だよ?」
「う、うう、それはいやれす」
よたよたしながら、バーの扉を背に立ち上がり、もたれかかってくる。これ以上は危ないとわかっているから、直ぐにタクシーを捕まえた。
家についたらジャケットをシワにならないように脱がせて、そのまま寝かせてしまおうと思ったら、おおいに暴れ出したので、結局また飲むことになってしまった。
こういう時、一緒になって飲んでしまうと後が大変だから、自分は飲む量を加減するのを忘れない。
「ねーえ、日本?」
突然風呂に入ると言い出して、やわやわした手つきで危なっかしくベルトを外し、上手くシャツのボタンを外せずに「ふらんすさぁん……ぬげないれす…うう」と甘えてきたので、みっともなく喉をならして手伝ってやる。
何度もネタ集め、ロケハンと称して旅行に行っているから、温泉に行ったときに彼が、普段では考えつかないくらい大胆(と、感じただけで、彼のところでは至って普通らしい)に肌を晒すところを見ているが、流石に下を見るのは自分の理性にも彼にもマズいだろうと、あらぬかたを見つめながらタオルを巻いてやった。
湯に浸かりながらふやふやとこちらを見つめてくるから、むらりと体に熱が走る。
「なんれすか、ふらんすさん」
完全に酔って、ふにゃふにゃしている。
「…今、キスしたいって言ったら怒る?」
そう言ったら、急に真顔になって、しんとしてしまったから、やはり拙かったと思ったが、すぐさまその考えは払拭された。
「…いいれすよ…。」
パシャン、と水の音が響いた。
畜生みたいに舌を絡めて息も荒く、自分では考えられないくらいに乱暴で飢えた口付けに酔いしれる。初めて触れた彼の唇は、思ったよりも熱く、そして柔らかかった。
「んく、」
喉から漏れるくぐもった声と、口の端から顎に辿る、透明の雫。
キスだけでは足らない。まるで聞き分けの悪い犬が息を荒くして餌を強請るのと同じだ。
視線を滑らせると、水中で浮いた腰巻きのタオルの隙間から、ゆらゆらと立ち上がりかけている日本のそれが見えて、自身に熱が集中していく。
ここは自国ではない。よく研究した日本文化流に、こちらでいうならティーンエイジャーみたいにまず申し入れるべきなのは分かっているが、止められそうもない。
早口で「日本、愛してる、…」と息継ぎの合間に呟いて、オーダーメイドのシャツやズボンが濡れるのも構わず先を急いだ。
初めて繋がる日本の中は想像以上に締め付けが強く、しかしそれだけ刺激は強かった。
小さな双丘を左右に押し開き更に密着させて奥の奥まで飲み込ませると、かすめた一点に日本の背中が大きくしなる。
肌に張り付く服が、普段なら気持ち悪い筈なのに、今はそれすら要素となる。
後ろから思う様貫いて、許可も取らずに中に果てた。

「…やっちゃった…」
湯船の中、酔いとか湯あたりとかでぐったりとした日本を、抱き上げながら、少し前までの、夢から覚めたみたいにため息をついた。
湯船の縁にうつ伏せにさせて、もう一度、柔らかい双丘をぐっと左右に押し開き、現れた蕾な指を埋める。見るだけでまたじりじりと熱が籠もってくるが、こちらが先だ。先程中で果てた自分の出した白濁を掻きだし、緩いシャワーで中を洗う。無意識か、蠢き吸い付こうとしてくる内壁にまた、痛いくらいに自身は反り返った。
最中、何度も愛してると言ったし、日本も、私もですと言ってくれたが、きっと目が覚めたら覚えていないんだろう。
経験豊富な大人だと、自分のことを思っていたが、そうではなかったらしい。だから、彼らの方法で、少し順序が違うけど、自分がいうなら少年少女の初恋みたいに、好きです愛していますと伝えよう。そう決意して、綺麗にしてまだ頬をバラ色に染めたまま眠る彼を見て、立ち上がった自分を彼の意識のない手を借りて、抜いたのだった。






「ねーえ、日本、お兄さんのこと、愛してる?」
首を傾げて言うと、日本は顔を真っ赤にして、
「そっ!そういうことは…妄りに言葉にするものでは…」
と言って話を反らそうとする。
「俺は日本のこと、愛してるんだけど?」
顎を掴んで無理やり視線を絡めると、
「…う……あ、あ、あさぢふの、小野のしの原、忍ぶれど、あまりてなどか、人の恋しき…」
「愛って言葉を直接使って欲しいんだけどなぁ」
わざわざ和歌を使うあたり、彼らしい。が、ここは研究に研究を重ねているからその歌の持つ意味も分かる。
今が会議中でなくても、これは変わらない。だから、こちらも同じ出展から返歌を送る。
「んーと、じゃあ~…あしびきの、山鳥の尾の、しだり尾の、ながながし夜を、ひとりかもねむ。なんちゃって」
「忘らるる、身をば思はず、ちかひてし、人の命の、をしくもあるかな!」
言いながら日本が机を叩いて立ち上がったので、議場はしんと静まり返った。
それを隣で腹を抱えて笑いを堪えていたら、反対隣のスペインに椅子を蹴られて、バランスを崩して後ろ向きに椅子ごとひっくり返ってしまった。
「あー、二人とも、確かに日本文化は素晴らしい、が。今は会議中だ。議題以外の発言は謹んでほしい。」
ドイツの呆れた声に、二人こっそり顔を見合わせて、殊勝にはい、と言ったあと笑った。
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