レガーロ
伊日
君に真っ赤な花束の続き。日誕終了
君に真っ赤な花束の続き。日誕終了
レガーロ
ドゥオモの鐘の音で、少しずつ上昇していた意識が覚醒した。
靴音さえ聞こえてこない、このアマルフィの崖の高いところにある部屋は、まるで異世界だ。
目を開けて一面の肌色を辿り、一番乗りで飛び込んできたのは、昨日も散々見上げた、整った顔で、まだその瞳は瞼に隠されている。
滑り良い肌をじっと見つめ、見つからないように、そっと唇を寄せる。
昨日の仕返しに、肩口にしるしを付けた。
目が覚めていないと確認しようと、もう一度顔を上げたら、アーモンド色の瞳がこちらを覗き込んでいて、顔面が火を噴いた。
「あっ、お、起きてたんですか…?!」
「ヴェ~」
彼は言葉では答えず、心底幸せそうな顔で返事をしてみせた。
「日本、誕生日、おめでとう。」
「……ありがとうございます。」
顔を合わせるのが恥ずかしく、シーツに潜り込みながら言ったので、イタリアくんは笑った。
「今日はソレントに行こうか?リモンチェッロがす~ごく美味しいんだぁ~。農園を見学して~、リモンチェッロを買って~、ご飯を食べて、その後、家に帰ろうね」
今日はとことん楽しませてくれるらしい。イタリアくんらしい計画に、胸が暖かくなり、笑顔が零れる。
「イタリアくん…ありがとうございます。」
見上げたら、美しい顔を更に美しく破顔させて、彼は笑う。
「プレーゴ!ヴェ、でも一つだけ我が儘言っていいかなぁ…」
「何ですか?」
「フェリシアーノって呼んでよ、菊。」
知らないうちに彼と交わした約束を忘れてしまっていたらしい。
自分たちには国としての号で呼び合うことの方が多く、反対に人としての名前を呼ぶことも、呼ばれることも少ない。
自分はさほどどちらでも気にならないが、彼は名前を呼ばれたがった。
「もちろんです。フェリシアーノくん。」
そうすると、キラキラひかる大きな瞳が間近に迫り、鼻と鼻とが触れ合って、ゆっくりと瞳を閉じた。
太陽を燦々と浴びて輝くリモーネ達。
崖を緑色に染めていた正体で、職人と家族達がのんびりと世話をしている。隠れ家から出る途中にも、向かいから籠いっぱいのリモーネを頭に乗せて歩いてきた伊丈夫がいたが、その向こうにリモーネ畑があったのだろう。
自国のものと違って大きく、そして陽気に見える。
リモーネ畑を見学して、美味しい食べ方を教わって、手をつないで歩く。
日本にいたら、絶対に出来ないことなのに、ここにいたら自然と手を差し出しているし、彼が腕を広げたら、小走りで駆け寄って腕の中に飛び込んでいる。
自分でも、染められているなぁと思うのだが、むしろそれも嬉しいから、現実に帰ればまた忙しく過ぎる日々に泣きたくなったり死にたくなったり消えたくなったりするのだから、この間だけはせめて彼のようになりたい。
老舗農園のリモンチェッロを買って、お昼を食べた後にヴェネツィアに発った。
「フェリシアーノくん、あなたの誕生日まで、しっかり家のことをしますからね、」
「ヴェ!何だか新婚さんみたい~!」
ドゥオモの鐘の音で、少しずつ上昇していた意識が覚醒した。
靴音さえ聞こえてこない、このアマルフィの崖の高いところにある部屋は、まるで異世界だ。
目を開けて一面の肌色を辿り、一番乗りで飛び込んできたのは、昨日も散々見上げた、整った顔で、まだその瞳は瞼に隠されている。
滑り良い肌をじっと見つめ、見つからないように、そっと唇を寄せる。
昨日の仕返しに、肩口にしるしを付けた。
目が覚めていないと確認しようと、もう一度顔を上げたら、アーモンド色の瞳がこちらを覗き込んでいて、顔面が火を噴いた。
「あっ、お、起きてたんですか…?!」
「ヴェ~」
彼は言葉では答えず、心底幸せそうな顔で返事をしてみせた。
「日本、誕生日、おめでとう。」
「……ありがとうございます。」
顔を合わせるのが恥ずかしく、シーツに潜り込みながら言ったので、イタリアくんは笑った。
「今日はソレントに行こうか?リモンチェッロがす~ごく美味しいんだぁ~。農園を見学して~、リモンチェッロを買って~、ご飯を食べて、その後、家に帰ろうね」
今日はとことん楽しませてくれるらしい。イタリアくんらしい計画に、胸が暖かくなり、笑顔が零れる。
「イタリアくん…ありがとうございます。」
見上げたら、美しい顔を更に美しく破顔させて、彼は笑う。
「プレーゴ!ヴェ、でも一つだけ我が儘言っていいかなぁ…」
「何ですか?」
「フェリシアーノって呼んでよ、菊。」
知らないうちに彼と交わした約束を忘れてしまっていたらしい。
自分たちには国としての号で呼び合うことの方が多く、反対に人としての名前を呼ぶことも、呼ばれることも少ない。
自分はさほどどちらでも気にならないが、彼は名前を呼ばれたがった。
「もちろんです。フェリシアーノくん。」
そうすると、キラキラひかる大きな瞳が間近に迫り、鼻と鼻とが触れ合って、ゆっくりと瞳を閉じた。
太陽を燦々と浴びて輝くリモーネ達。
崖を緑色に染めていた正体で、職人と家族達がのんびりと世話をしている。隠れ家から出る途中にも、向かいから籠いっぱいのリモーネを頭に乗せて歩いてきた伊丈夫がいたが、その向こうにリモーネ畑があったのだろう。
自国のものと違って大きく、そして陽気に見える。
リモーネ畑を見学して、美味しい食べ方を教わって、手をつないで歩く。
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自分でも、染められているなぁと思うのだが、むしろそれも嬉しいから、現実に帰ればまた忙しく過ぎる日々に泣きたくなったり死にたくなったり消えたくなったりするのだから、この間だけはせめて彼のようになりたい。
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「ヴェ!何だか新婚さんみたい~!」
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西條事情
店主:西條
リンク:同人サイト様のみ
店名:三日月商會
アドレス:http://blaueterra.blog.shinobi.jp/
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