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チロル

伊日。
チロル










「イタリアくん、みてください!」
日本が興奮冷めやらぬ様子で、珍しく誰がみてもそれと分かるほど喜びを表して親指と人差し指で白い四角い何かを差し出した。
「ヴェ…?なぁに?」
四角いそれは、どうやら白い包み紙に何かのイメージ写真が印刷されているようだ。
印刷されているのは、ティラミス。ますます首を傾げた。
「遂に!あのチロルにティラミス味が登場したんですよ!」
そもそも、そのチロル?というのが分からないのではあるが、取りあえず喜ばしいことらしい。
なんだか此方も嬉しくなってきた。
新年の生き生きとした空気をすって、初日を浴びて、こたつでぬくぬくとしているところに、日本がお茶を持ってきながらそれを持ってきた。
今回は日本の家で新年を迎えようとクリスマスから滞在して、今日に至るのだけれど、昨日の夜の布団の中でだってこんな顔は見たことがない。(これをそのまま伝えたら日本はきっと顔を真っ赤にして怒るに違いない)
「そうなの?ヴェ~!よかったねぇ!」
「はいっ!イタリアくんの家の味をなんとか気軽に味わいたくて、試行錯誤を重ねたんです。」
にっこり笑う日本に、自分の鼻の下が伸びた気がする。
自分の家の料理は、日本人にとても人気がある。味は本場と違うので、と言うがまた違った魅力があるものだ。
どうやら、有名メーカーの歴史ある商品で、いろんな味を制作しているらしい。
以前はきなこもちや塩バニラなどが出ていたらしい。少し前の原料の価格高騰時には何十年も同じ価格でやってきたというのに何十円か値段を上げざるを得なかったらしい。
「日本は本当、いろんな事を考えつくんだねぇ」
白いパッケージをつつきながら言った。
「ええ、まあ。だって、日本のポピュラーなお菓子にあなたの家のお菓子が融合するって、素敵じゃありませんか?」
こてん、と首を傾げたから、着物から白い首筋が露になって、ごくりと唾を飲んだ。
クリスマスからこちら、完全に主導権を握られている気がする。
クリスマスには完全に食べられてしまったし、どんどんイタリア女的になっていく日本に、嬉しい反面、やはり大和撫子で居て欲しいきもしている。
「うん、素敵だよ〜〜。」
しかし、しばらくこのままでいてもいいかもしれない。
逆転してもとにもどるのは、彼の誕生日が来てからでいい。
そう思って、白く細い指先から、チロルを絡めとった。
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西條事情

店主:西條

リンク:同人サイト様のみ
店名:三日月商會
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