ある日
伊日SSS
まったりさせたかっただけ。
まったりさせたかっただけ。
ある日
「えっぷしょい!」
イタリアくんの盛大なくしゃみに思わず、手に持っていた湯呑みから大津波が起こって机の上にはしたなくお茶がこぼれた。
大慌てで布巾を持って机を拭いたのだが、イタリアくんはまたくしゃみを繰り返している。
「・・・風邪ですか?」
お茶を持ち直しながら、そう言うと、イタリアくんは首を傾げた。頭からのびたくるんもはて?とでも言わんばかりに傾いている。
「ん〜・・・わかんない・・・ヴェ、ヴェ、ヴェ、えっくしょん」
「おやまあ・・・。」
もしかすると、この底冷えのする家だから、体が冷えてしまったのかもしれないし、掃除が足りなかったのかもしれない。
いずれにしても、せっかく足を運んでもらったのに風邪を引かせて帰す訳にもいかない。これはなんとかせねばなるまい!と妙な責任感が首をもたげた。
「・・・ヴェ?これは・・・?」
湯呑みを前に興味を津々とさせているイタリアくんに、ふっと笑いながら答える。
「これは、葛湯です。甘くて美味しいですよ。風邪と言えば、葛湯です。昔から、消化も良くて、体が温まりますから、病気の時はこれなんです。味がもっと欲しければ生姜と抹茶、あとは・・・コーヒーなどもありますから、言ってくださいね。混ぜますから」
彼は食事にはとてもうるさい(嫌な意味ではない)ので、これの良さは分かってくれるのだろうとは思うのだけれど、葛湯の前に、インスタントのコーヒーや抹茶を並べた。
そうっと湯呑みをもっておそるおそるそれを口に運ぶと、こくり、とゆっくり嚥下する。
その表情は、ほうっとした顔で、こちらとしてもとてもホッと息をついた。
「美味しいよ〜〜。優しい甘さだね・・・」
「さすが、イタリアくんです。これの良さが分かるなんて・・・!コレは本葛と和三盆を使っているので、最高級なんです。今はいろんな物で代用して作ることもできますけど、私は絶対、これなんです・・・。」
自分の湯呑みにもついでに作った葛湯を飲み込む。口の中に柔らかい甘さが広がって、消えて行く。決して主張のきつくない、むしろ控えめなこの甘さが、冷えた体にはとても丁度いい。
「つい先日まで冬とはいえ、ずいぶん暖かかったのに・・・いつの間にか雪でも降りそうな位、寒くなってしまいましたね・・・。」
外を見れば、夏場とはまた違った色をした空が広がっている。太陽の光も刺すように降り注いでいたというのに、今では心地よい。
縁側に、影が出来た。空を、大きな白い雲が流れて行く。
庭に出ているポチくんが、きゃわん!と一声鳴いた。
「えっぷしょい!」
イタリアくんの盛大なくしゃみに思わず、手に持っていた湯呑みから大津波が起こって机の上にはしたなくお茶がこぼれた。
大慌てで布巾を持って机を拭いたのだが、イタリアくんはまたくしゃみを繰り返している。
「・・・風邪ですか?」
お茶を持ち直しながら、そう言うと、イタリアくんは首を傾げた。頭からのびたくるんもはて?とでも言わんばかりに傾いている。
「ん〜・・・わかんない・・・ヴェ、ヴェ、ヴェ、えっくしょん」
「おやまあ・・・。」
もしかすると、この底冷えのする家だから、体が冷えてしまったのかもしれないし、掃除が足りなかったのかもしれない。
いずれにしても、せっかく足を運んでもらったのに風邪を引かせて帰す訳にもいかない。これはなんとかせねばなるまい!と妙な責任感が首をもたげた。
「・・・ヴェ?これは・・・?」
湯呑みを前に興味を津々とさせているイタリアくんに、ふっと笑いながら答える。
「これは、葛湯です。甘くて美味しいですよ。風邪と言えば、葛湯です。昔から、消化も良くて、体が温まりますから、病気の時はこれなんです。味がもっと欲しければ生姜と抹茶、あとは・・・コーヒーなどもありますから、言ってくださいね。混ぜますから」
彼は食事にはとてもうるさい(嫌な意味ではない)ので、これの良さは分かってくれるのだろうとは思うのだけれど、葛湯の前に、インスタントのコーヒーや抹茶を並べた。
そうっと湯呑みをもっておそるおそるそれを口に運ぶと、こくり、とゆっくり嚥下する。
その表情は、ほうっとした顔で、こちらとしてもとてもホッと息をついた。
「美味しいよ〜〜。優しい甘さだね・・・」
「さすが、イタリアくんです。これの良さが分かるなんて・・・!コレは本葛と和三盆を使っているので、最高級なんです。今はいろんな物で代用して作ることもできますけど、私は絶対、これなんです・・・。」
自分の湯呑みにもついでに作った葛湯を飲み込む。口の中に柔らかい甘さが広がって、消えて行く。決して主張のきつくない、むしろ控えめなこの甘さが、冷えた体にはとても丁度いい。
「つい先日まで冬とはいえ、ずいぶん暖かかったのに・・・いつの間にか雪でも降りそうな位、寒くなってしまいましたね・・・。」
外を見れば、夏場とはまた違った色をした空が広がっている。太陽の光も刺すように降り注いでいたというのに、今では心地よい。
縁側に、影が出来た。空を、大きな白い雲が流れて行く。
庭に出ているポチくんが、きゃわん!と一声鳴いた。
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店名:三日月商會
アドレス:http://blaueterra.blog.shinobi.jp/
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