重箱の中は愛がいっぱい
伊日。
爺とお外で一緒にご飯しようぜ!絶賛日本に滞在中の伊のリアルタイムなお話。
爺とお外で一緒にご飯しようぜ!絶賛日本に滞在中の伊のリアルタイムなお話。
重箱の中は愛がいっぱい
「今日は天気がいいですし、近くの公園にお弁当を持っていきましょう。」
今日は、昨日の雨が嘘のように晴れ渡っていて、風は少し強いけれど、それも気にならないくらい暖かい日がさしていて、日向にいたら、結構汗ばむかもしれない。
朝食を終えた日本が、洗濯物のかごを持って、縁側から外に出ようと、下駄を履きながら、丁度縁側でポチをあぐらをかいたその中に座らせて、絵を描いていた俺に言った。
「Che meraviglia!いいね、すっごく楽しそう!」
丁度わん!と返事をしたポチと一緒に言った所為で、可笑しかったのか日本はふふ、と笑った。
スケッチブックを置いて、鉛筆を片付ける。ポチを膝からおろして、日本が抱えていた洗濯籠を持ち上げると、下駄を履いて日本を追いかけた。
洗濯物の竿を持って裏手まで回る日本の後を付いて行く。縁側から見える見事な庭と打って変わって、野菜の洗い場、大きな瓶の中に泳ぐ小さな生き物、蓮の葉などが揺れる生活感の溢れる、けれど綺麗で赴き深く見えるそこで、日本は干してあった竿を掛けて、振り返った。
「あら、イタリアくん、ありがとうございます。・・・こちらにいただけますか?」
指示を出す日本に従い、一枚ずつ洗濯物を取り出す。バスタオル、シーツ、腰紐、俺の履いてきた下着、日本の褌、ずらりと竿に干されたそれらは、風に煽られてゆらゆらゆれている。
「イタリアくんのお陰で早く済みました。・・・さて。イタリアくん。」
急にキリッとした顔をする日本に、こちらもビシっと手足をのばす。
なんだかドイツの小型版みたいだ、なんて思ったけれど、口にはださなかった。ドイツよりもずいぶん可愛いし、小さくて華奢だ。
「ヴェ!」敬礼をとる。
「イタリアくん、手が逆です・・・。お弁当の準備をしようと思います。手伝ってくださいませんか?」
料理のことならお任せである。
「ヴァヴェーネ!任せて!」
おにぎりを作る日本の隣で、ラビオリをお重に詰める。
ティラミスは既に冷蔵庫の中で寝かしてあるし、ワインはもうワインキャリーに入れていつでもGOサインが出れば出発可能だ。
「おにぎりは二つでいいですね。ラビオリもありますし・・・あと、あ、イタリアくん、そこの野菜スティック状にしてもらえます?ディップにしようと思いますので。・・・おにぎり、ラビオリ、ティラミス、お野菜、・・・お肉、ですかね?」
日本は張り切っているのか、着々と準備をすすめながら彩りを考えながらメニューを考えている。結局、肉は、生姜焼きに決まった。
「さて、なんだかミスマッチな感じがしますが、これでいいとしますか。」
「うん、俺もこれでいいと思う!急に思いついたって、感じでドキドキするよ〜!」
いっぱいに成った重箱を覗いて、にこりと二人で顔を見合わせた。
日本がそれを風呂敷で包む間、ポチを庭から読んできて、リードをつける。
少しも待つこと無く、出発と相成った。
やはり風は少しつよい。
日本の、首に巻いたマフラーがはためいている。
両手に下げたお重とワイン、そして日本のポチのリードを掴んでいない方の手には水筒とレジャーシートの入った鞄が握られている。
「ねえ、日本、俺こういうのすっごく好きだな〜。ちょっと外で食べようか、って言ってお弁当を準備して出て来れるのって素敵だよね!」
隣を歩いている日本に向き直って言うと、日本もうん、と頷いた。
「私のところでは、昔から・・・その時はもっと質素でしたけど、こういうふうにして握り飯でももって川辺で食べたり、あとは、その当時はこんなにしっかりした作りの家なんて無かったので、・・・・なんというか、外と家の境界が曖昧というか・・・まあ、すごく驚かれましたけど。」
「それってすごくいいことだと思うよ!ヴェ、ヴェ〜ッ」
気分がすっきりして、なんだか嬉しい。心が躍る。
川縁の草むらの大きな木の近くにレジャーシートを敷いて、そこで食べるご飯なんてとっても素敵なことだ。
重箱を彩る野菜とおにぎり、お肉、そしてラビオリ、一番したのお重にはティラミスが一面に敷き詰められている。
取り皿に好きな物を選んで取って、それを頬張る。
川縁には、お弁当を食べているのは自分たち以外にはだれもいなかったけれど、小さな子供とその親や、恋人同士、友達同士、川の近くで追ったり追われたりしながら遊んでいるのが見える。
年百年、何千年と生きてきた自分たちからすれば、そこにいる人間の人生は一瞬といっても過言ではないくらいのものなのだけれど、そこには確かに幸せを、悔しさを、悲しさを、いろんな感情を胸にその一時を生きてきた人間というものが繋いできた命を感じさせる何かがあった。
「ね〜え、日本、俺、日本に出会えてよかったよ・・・。ほんとにそう思うよ・・・」
「なっ何なんですか、急に・・・!」
突拍子も無くそんなことを言ったので、焦った日本が顔を赤くして箸をとり落とした。
「ん〜、あのね、日本にもし出会えてなかったら、どうなってたかな、って思ったら、きっと全然幸せじゃないだろうなと思って。」
日本は少し考えるようにして、真面目な顔をして言った。
「さあ、それはどうでしょうね・・・・その時は、きっと他の何かがあなたにとって掛け替えの無い物に成って、貴方を幸せにしてくれているんだと思いますけど・・・ただ、言えるのは、私はあのとき、貴方と出会えたからこその今だと思うので。・・・・あの日、あのとき、貴方に出会ったことで今の私がいる。貴方を心の底から愛しいと思える私がいる、ということです。」
そうかも知れない。もし知り合っていなければ、きっと違う誰かを愛しているのかも知れないし、また別で何かを心の支えにしているかも知れない。
歴史にもしも、は無いのだ。
「そう、だね。なんか俺・・・・日本がもっともっともっと好きになっちゃった。」
わはー!と笑うと、日本もつられて笑った。
帰り道、いつもなら手も繋がせてくれないのに、日本がそっと、手を差し出して、手をつないで帰った。
いつの間にかポチはリードを付けていたのにさっさと自分だけで帰ってしまったみたいで、家に帰って、縁側でたまとのんびりしているのを見て、二人で笑った。
_______________
タイトル、センス無くてごめんなさい。これが西條クオリティ。
ちなみに、不意にお外でご飯を食べたくなったのは私と母。おかずを具にした一石二鳥なおにぎりと、スープを持って出かけました^^
そして、歴史にもしもはない、この台詞は、弟の友達の名台詞(?)「歴史にIFはねえよ」を引用しました。個性豊かでいいですね!
「今日は天気がいいですし、近くの公園にお弁当を持っていきましょう。」
今日は、昨日の雨が嘘のように晴れ渡っていて、風は少し強いけれど、それも気にならないくらい暖かい日がさしていて、日向にいたら、結構汗ばむかもしれない。
朝食を終えた日本が、洗濯物のかごを持って、縁側から外に出ようと、下駄を履きながら、丁度縁側でポチをあぐらをかいたその中に座らせて、絵を描いていた俺に言った。
「Che meraviglia!いいね、すっごく楽しそう!」
丁度わん!と返事をしたポチと一緒に言った所為で、可笑しかったのか日本はふふ、と笑った。
スケッチブックを置いて、鉛筆を片付ける。ポチを膝からおろして、日本が抱えていた洗濯籠を持ち上げると、下駄を履いて日本を追いかけた。
洗濯物の竿を持って裏手まで回る日本の後を付いて行く。縁側から見える見事な庭と打って変わって、野菜の洗い場、大きな瓶の中に泳ぐ小さな生き物、蓮の葉などが揺れる生活感の溢れる、けれど綺麗で赴き深く見えるそこで、日本は干してあった竿を掛けて、振り返った。
「あら、イタリアくん、ありがとうございます。・・・こちらにいただけますか?」
指示を出す日本に従い、一枚ずつ洗濯物を取り出す。バスタオル、シーツ、腰紐、俺の履いてきた下着、日本の褌、ずらりと竿に干されたそれらは、風に煽られてゆらゆらゆれている。
「イタリアくんのお陰で早く済みました。・・・さて。イタリアくん。」
急にキリッとした顔をする日本に、こちらもビシっと手足をのばす。
なんだかドイツの小型版みたいだ、なんて思ったけれど、口にはださなかった。ドイツよりもずいぶん可愛いし、小さくて華奢だ。
「ヴェ!」敬礼をとる。
「イタリアくん、手が逆です・・・。お弁当の準備をしようと思います。手伝ってくださいませんか?」
料理のことならお任せである。
「ヴァヴェーネ!任せて!」
おにぎりを作る日本の隣で、ラビオリをお重に詰める。
ティラミスは既に冷蔵庫の中で寝かしてあるし、ワインはもうワインキャリーに入れていつでもGOサインが出れば出発可能だ。
「おにぎりは二つでいいですね。ラビオリもありますし・・・あと、あ、イタリアくん、そこの野菜スティック状にしてもらえます?ディップにしようと思いますので。・・・おにぎり、ラビオリ、ティラミス、お野菜、・・・お肉、ですかね?」
日本は張り切っているのか、着々と準備をすすめながら彩りを考えながらメニューを考えている。結局、肉は、生姜焼きに決まった。
「さて、なんだかミスマッチな感じがしますが、これでいいとしますか。」
「うん、俺もこれでいいと思う!急に思いついたって、感じでドキドキするよ〜!」
いっぱいに成った重箱を覗いて、にこりと二人で顔を見合わせた。
日本がそれを風呂敷で包む間、ポチを庭から読んできて、リードをつける。
少しも待つこと無く、出発と相成った。
やはり風は少しつよい。
日本の、首に巻いたマフラーがはためいている。
両手に下げたお重とワイン、そして日本のポチのリードを掴んでいない方の手には水筒とレジャーシートの入った鞄が握られている。
「ねえ、日本、俺こういうのすっごく好きだな〜。ちょっと外で食べようか、って言ってお弁当を準備して出て来れるのって素敵だよね!」
隣を歩いている日本に向き直って言うと、日本もうん、と頷いた。
「私のところでは、昔から・・・その時はもっと質素でしたけど、こういうふうにして握り飯でももって川辺で食べたり、あとは、その当時はこんなにしっかりした作りの家なんて無かったので、・・・・なんというか、外と家の境界が曖昧というか・・・まあ、すごく驚かれましたけど。」
「それってすごくいいことだと思うよ!ヴェ、ヴェ〜ッ」
気分がすっきりして、なんだか嬉しい。心が躍る。
川縁の草むらの大きな木の近くにレジャーシートを敷いて、そこで食べるご飯なんてとっても素敵なことだ。
重箱を彩る野菜とおにぎり、お肉、そしてラビオリ、一番したのお重にはティラミスが一面に敷き詰められている。
取り皿に好きな物を選んで取って、それを頬張る。
川縁には、お弁当を食べているのは自分たち以外にはだれもいなかったけれど、小さな子供とその親や、恋人同士、友達同士、川の近くで追ったり追われたりしながら遊んでいるのが見える。
年百年、何千年と生きてきた自分たちからすれば、そこにいる人間の人生は一瞬といっても過言ではないくらいのものなのだけれど、そこには確かに幸せを、悔しさを、悲しさを、いろんな感情を胸にその一時を生きてきた人間というものが繋いできた命を感じさせる何かがあった。
「ね〜え、日本、俺、日本に出会えてよかったよ・・・。ほんとにそう思うよ・・・」
「なっ何なんですか、急に・・・!」
突拍子も無くそんなことを言ったので、焦った日本が顔を赤くして箸をとり落とした。
「ん〜、あのね、日本にもし出会えてなかったら、どうなってたかな、って思ったら、きっと全然幸せじゃないだろうなと思って。」
日本は少し考えるようにして、真面目な顔をして言った。
「さあ、それはどうでしょうね・・・・その時は、きっと他の何かがあなたにとって掛け替えの無い物に成って、貴方を幸せにしてくれているんだと思いますけど・・・ただ、言えるのは、私はあのとき、貴方と出会えたからこその今だと思うので。・・・・あの日、あのとき、貴方に出会ったことで今の私がいる。貴方を心の底から愛しいと思える私がいる、ということです。」
そうかも知れない。もし知り合っていなければ、きっと違う誰かを愛しているのかも知れないし、また別で何かを心の支えにしているかも知れない。
歴史にもしも、は無いのだ。
「そう、だね。なんか俺・・・・日本がもっともっともっと好きになっちゃった。」
わはー!と笑うと、日本もつられて笑った。
帰り道、いつもなら手も繋がせてくれないのに、日本がそっと、手を差し出して、手をつないで帰った。
いつの間にかポチはリードを付けていたのにさっさと自分だけで帰ってしまったみたいで、家に帰って、縁側でたまとのんびりしているのを見て、二人で笑った。
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タイトル、センス無くてごめんなさい。これが西條クオリティ。
ちなみに、不意にお外でご飯を食べたくなったのは私と母。おかずを具にした一石二鳥なおにぎりと、スープを持って出かけました^^
そして、歴史にもしもはない、この台詞は、弟の友達の名台詞(?)「歴史にIFはねえよ」を引用しました。個性豊かでいいですね!
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西條事情
店主:西條
リンク:同人サイト様のみ
店名:三日月商會
アドレス:http://blaueterra.blog.shinobi.jp/
メルフォは下にあります。
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