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知らなかった

伊日。
いい夫婦にちなんでるのかちなんでないのか、支離滅裂^^
知らなかった







「知ってました?」
日本はそういって、にこっと笑った。
もうなんだか頭がくらくらして、頬は熱いし、日本は愛しいし、でもここは日本で、そしてお店だし、きっとこんなところで思いを行動に移したら、二度と口をきいてくれなくなるかもしれない。
ぎゅっと、日本の手を握った。

世界会議も終わって、一週間が過ぎた。
なんだか自国に帰る気がしなかったから、そのまま日本の家に滞在している。
迷惑かとも思ったのだけれど、そんな様子も一切見せずに、日本は、一言、
「お上がりください、」
と言って笑っただけだった。
日本はいつも、突然訪問しても嫌な顔一つしない。
初めこそ驚きを隠せず、動揺を露にしていたけれど、多くの国が訪れる中、次第にそれは普通のことになったみたいで、最近となると、一緒に買物に言って、一揃え、服を用意してくれて、ついでになんと手縫いで浴衣まで誂えてくれたので突然きてもちっとも困らない。
かくして、今回はきちんと服は持ってきていたのだけれど、世界会議終了後、早々にホテルを出て、日本の家に居候しているのだ。
その間も、日本は仕事があったから、ずっと一緒にとはいかなかったけれど、必ず食事は一緒に食べた。
昼食は日本料理の時もあったし、日本の洋食、はたまたイタリア料理を作ってくれる時もあった。
「今日は出かけないの?」
ほかほかと湯気のたつ白米、お味噌汁、おしんこ、日本が俺のために開発してくれたバジルソースを挟んだ卵焼き、煮物、温泉卵、など、見慣れたけれどやはり豪華だと思う日本の朝食を前に、月曜日であるのに出かける様子の無い(いつも仕事がある日は朝からビシっとスーツを着ている)日本に、不思議に思って問いかけた。
日本は、お茶を入れていた手を止めて、ゆっくりとこちらを見た。
「ええ、今日は、22日なんですよ。私の上司が勝手に、・・・なんというか、要らない気を利かせてくれたお陰で、お休みです。」
こちらにはちっとも話が通じない内容で、首を傾げた。
「ヴェ?22日って・・・何かあったっけ?」
日本の誕生日はまだ先、2月11日だし、自分の誕生日はその先だ。
なにかの記念日なら、自分が知らない筈はない。
日本は、ちょっと悪戯っぽく笑って、
「22、というのはですね、日本での数の数え方で、1はひ、2はふ、3はみ、と言う風に置き換えるんです。ですから、今日は?」
「ヴェ、ええ〜〜!えっと、ふふ?」
「そうです。ですので、今日は、「いい夫婦の日」な訳です。お恥ずかしながら、商魂逞しい我が国の新しいイベントです。」
恥ずかしそうに、日本は笑った。
「面白いねえ〜!」
さ、頂きましょうかね、日本はお茶を配って、両手をあわせた。
慌ててそれに習うと、二人で仲良く、「いただきます」をして食べ始める。
やっぱり日本の手料理は毎日食べても毎回美味しい、と感嘆してしまう。
日本が頬を染めるくらいまで美味しいを連発して、ようやく食べ終わった頃、庭からポチが顔を出して、わん!と鳴いた。
「さあ、イタリアくん、片付けをしたら出かけましょう。今日はちょっと街までいきませんか。」
お皿を持つてを止めて、日本を見る。
答えはSiに決まっている。
「Si!俺が洗うから、日本は準備しててね!」

街は平日だというのに結構な人出で、クリスマス一色になった街を二人で歩くと新鮮な気がした。
もちろん、手はつないでくれないのが悲しいのだけれど、こんど自国に日本が来たときには精一杯させてもらうつもりだから、出来ない我慢もなんとか出来そうだ。
「ああ、ここですよ」
ビルとビルに挟まれるようにして立つ日本の伝統的な建物には、のれんがかかっている。その向こうは、扉がしまっているから何の店なのかは分からない。
日本に続くようにして中に入ると、なんとも言えないよい香りが漂っている。
「すみません、頼んでおいた品を受け取りに参りました」
日本が丁寧な口調でそういうと、奥の方から年配の日本人が姿を現した。
顔に刻まれた深い皺が、彼が生きていた人生を物語っている。
「はい、こちらに」
そ、とさらりとした布に包まれて出てきたものを、日本はそっと開く。
そこには、絶妙な色合いの香炉と、綺麗な螺鈿の箱。
「いいお品ですね。さすがです。私がお願いした通りの美しい出来です。」
「・・・お褒めに預かれるとは、私どもも先祖代々お使えしてきた意味があるというものです。」
深々と礼をするその年老いた、しかし品のある職人は、にっこりと笑った。
「ヴェ、日本?これは?」
だまっているのが辛くなってきくと、日本はその職人よりももっと笑って、
「これは、貴方のために誂えた物です。」と言った。
「どうして?とっても綺麗だけど・・」
確かに今までも何度も何かをやり取りはしていたけれど、こんなにすごい物を貰うのは初めてかもしれない。怖じ気づいてしまったのか、問うと、以外にも日本は悪戯っぽく口の端を上げて言った。

「あなた、この前、いつもの香水の上から、なんだか違う匂いがしましたので。差し出がましいことですし、こんな老いぼれ爺がこのようなことをするべきではないとは思いましたが・・・。貴方が考えるよりずっと、私は貴方のことを慕っているのです。・・・・・知っていましたか?」
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