ごめんねの後
露日。
ごめんね の翌朝を妄想してこんなことになりました。すごく短いです。
ごめんね の翌朝を妄想してこんなことになりました。すごく短いです。
ごめんねの後
はっとして目を覚ますと、まだぬくぬくとした湿度に安心したものの、回された腕にぎょっとした。
そろりと視線を這わせると、やはりロシアさんの上に乗って抱かれる形で眠っていたようだ。
昨日の真夜中に押し掛けてきた彼を慰めるうちに、ロシアさんが抱きしめてきたので、冷えていた体が暖かいものに包まれたあの独特の安心感で、睡魔に勝てなかったのだ。
それにしても、例のメタボリックな彼よりも、体は適度にがっちりしていて安定感があるのに、暖かいし、あの不快な湿っぽい肉襦袢とはふた味もみ味も違う。
そろりと目線をあげれば、幼い寝顔をさらすロシアさん。
薄い不思議な色をした髪が、お揃いの睫に相まってとても綺麗に見える。
「・・?にほんくん?」
視線に気がついたのか、ぱちり、と目があいて、紫色の美しい眸が顔を出す。
「おはようございます。・・・・起きますので、離してください?」
何時なのかは時計がここからでは見えないので分からないけれど、体内時計によれば、ちょうどいい具合の朝だ。
炬燵の中で、しかもロシアさんに抱かれて寝てしまったとは堕落と恥の極みだけれども、さっさとこの状況から脱することが出来れば、それも帳消しに出来る気がする。
「やだ。もうちょっと寝よう?」
案の定の答えに、なんだか笑ってしまう。
そういうと思いました、と言うと、拗ねて手を離してくれた。
この好機を逃がす物かとささっと起きてしまえば、弱々しい声で抗議が聞こえる。
「日本くんのいじわる」
いじわるでもなんでも結構である。
所詮いじわる爺ですけどなにか。生活があるのだから仕方あるまい。惰眠を貪る訳にはいかぬのだから。
と、いうか、ご飯いらないっていうんですか。いいですけど、自分の物だけ作っても。でも分けてあげませんけどね。けれどしかし、自分は彼の操縦方法を知っている。本当の意地悪爺には成らずに済む方法を。
「いじわるで結構ですけど、朝食、要らないんですか?粉があるのでピロシキでも作ろうかと思ったんですけど?」
昨日の夜、彼がやってきたときに、朝ご飯は何を作ってやろうか、と考えていた時、しょっちゅうやってくる彼の所為で、徐々にロシア料理の材料が増えつつある戸棚の中を覗いて、朝はピロシキにしようと思いついていたのだった。ついでに、可愛い熊のパッケージのチョコレートもあるのでそれをデザートに出してやろう。
言えば、さっきと打って変わって、慌てて、
「いる!ピロシキ食べたい!・・・お味噌汁も飲みたいな〜」
と炬燵で大きな体を窮屈そうにさせて寝返りを打ってこちらに視線をよこした。
体が大きすぎて、ガタっとすごい音がして机が一瞬浮いたのは見ぬふりをした。
「はいはい。・・・お風呂、用意しますから、ちょっとあったまったらどうですか。貴方、昨日夜中に来たんですから、冷えてるでしょう?あ、着替えは無いので脱衣所の引き出しの二段目に入っている浴衣を使ってください。」
来客の多いこの家では、頻度の高い者順に、脱衣所に小さなタンスを誂えたのだ。一段目はアメリカさん。二段目はロシアさん。三段目は、イタリアくんとドイツさん。など、段によってその人用の浴衣も用意してある。下着は一緒に行って、気に入ったのを選ばせた。まるで主婦のようだなどと思いながらも、自分のを貸す訳にはいかないので致し方ない。貸さないでそのままの下着を使わせてもいいのだが、やはり清潔がいいのだ。たまにやってきてまれに泊まる方の分は、申し訳ないが用意が無いので褌で我慢してもらう。
浴槽の栓をして、給湯器のスイッチを入れる。湿気を逃がすための窓を閉めた。
「わっ」
振り返ろうとして、正面、回避できないくらいに近い位置に居た所為で、避けることができずにそのままロシアさんに正面きってぶつかってしまった。が、すぐに彼が邪魔な位置に立っていた訳が分かった。
ぎゅうぎゅうと体を押し付けてくる。
「・・・・・なんですか」
息、できないんですけど。
むっとした声で言うと、いつもより低い声で、
「日本くん、愛してる」
と言った。
はっとして目を覚ますと、まだぬくぬくとした湿度に安心したものの、回された腕にぎょっとした。
そろりと視線を這わせると、やはりロシアさんの上に乗って抱かれる形で眠っていたようだ。
昨日の真夜中に押し掛けてきた彼を慰めるうちに、ロシアさんが抱きしめてきたので、冷えていた体が暖かいものに包まれたあの独特の安心感で、睡魔に勝てなかったのだ。
それにしても、例のメタボリックな彼よりも、体は適度にがっちりしていて安定感があるのに、暖かいし、あの不快な湿っぽい肉襦袢とはふた味もみ味も違う。
そろりと目線をあげれば、幼い寝顔をさらすロシアさん。
薄い不思議な色をした髪が、お揃いの睫に相まってとても綺麗に見える。
「・・?にほんくん?」
視線に気がついたのか、ぱちり、と目があいて、紫色の美しい眸が顔を出す。
「おはようございます。・・・・起きますので、離してください?」
何時なのかは時計がここからでは見えないので分からないけれど、体内時計によれば、ちょうどいい具合の朝だ。
炬燵の中で、しかもロシアさんに抱かれて寝てしまったとは堕落と恥の極みだけれども、さっさとこの状況から脱することが出来れば、それも帳消しに出来る気がする。
「やだ。もうちょっと寝よう?」
案の定の答えに、なんだか笑ってしまう。
そういうと思いました、と言うと、拗ねて手を離してくれた。
この好機を逃がす物かとささっと起きてしまえば、弱々しい声で抗議が聞こえる。
「日本くんのいじわる」
いじわるでもなんでも結構である。
所詮いじわる爺ですけどなにか。生活があるのだから仕方あるまい。惰眠を貪る訳にはいかぬのだから。
と、いうか、ご飯いらないっていうんですか。いいですけど、自分の物だけ作っても。でも分けてあげませんけどね。けれどしかし、自分は彼の操縦方法を知っている。本当の意地悪爺には成らずに済む方法を。
「いじわるで結構ですけど、朝食、要らないんですか?粉があるのでピロシキでも作ろうかと思ったんですけど?」
昨日の夜、彼がやってきたときに、朝ご飯は何を作ってやろうか、と考えていた時、しょっちゅうやってくる彼の所為で、徐々にロシア料理の材料が増えつつある戸棚の中を覗いて、朝はピロシキにしようと思いついていたのだった。ついでに、可愛い熊のパッケージのチョコレートもあるのでそれをデザートに出してやろう。
言えば、さっきと打って変わって、慌てて、
「いる!ピロシキ食べたい!・・・お味噌汁も飲みたいな〜」
と炬燵で大きな体を窮屈そうにさせて寝返りを打ってこちらに視線をよこした。
体が大きすぎて、ガタっとすごい音がして机が一瞬浮いたのは見ぬふりをした。
「はいはい。・・・お風呂、用意しますから、ちょっとあったまったらどうですか。貴方、昨日夜中に来たんですから、冷えてるでしょう?あ、着替えは無いので脱衣所の引き出しの二段目に入っている浴衣を使ってください。」
来客の多いこの家では、頻度の高い者順に、脱衣所に小さなタンスを誂えたのだ。一段目はアメリカさん。二段目はロシアさん。三段目は、イタリアくんとドイツさん。など、段によってその人用の浴衣も用意してある。下着は一緒に行って、気に入ったのを選ばせた。まるで主婦のようだなどと思いながらも、自分のを貸す訳にはいかないので致し方ない。貸さないでそのままの下着を使わせてもいいのだが、やはり清潔がいいのだ。たまにやってきてまれに泊まる方の分は、申し訳ないが用意が無いので褌で我慢してもらう。
浴槽の栓をして、給湯器のスイッチを入れる。湿気を逃がすための窓を閉めた。
「わっ」
振り返ろうとして、正面、回避できないくらいに近い位置に居た所為で、避けることができずにそのままロシアさんに正面きってぶつかってしまった。が、すぐに彼が邪魔な位置に立っていた訳が分かった。
ぎゅうぎゅうと体を押し付けてくる。
「・・・・・なんですか」
息、できないんですけど。
むっとした声で言うと、いつもより低い声で、
「日本くん、愛してる」
と言った。
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店名:三日月商會
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