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どこにいても大好きです

土日。
2010年を祝い隊。
どこにいても大好きです






飛行機雲をしっぽのように引っ張って、空の彼方を白い機体が轟々と音を立てて飛び去った。あとに残った白い雲を見て、遠い彼方の人を思った。
最近徐々に増えつつあるトルコ製品に包まれて、ふよふよと気分が浮上する。
キリムや絨毯は、玄関や縁側を飾っているし、彼が持ってきたチャイダンルックやジェズヴェ一式も今は台所の戸棚にしまわれている。
彼がここへきてくれた時は、必ず、何かしら持ってきてくれるのだが、それはトルコの品ではないことが多い。と、いうか、トルコの品と言えば品なのだが、チューリップを贈られるのだ。チューリップは、切り花になっているから、次第に枯れてしまう。なので、照れる彼のもと、自分がトルコへ行った時には必ず、そこで彼を思い出せる何かを購入することにしている。
「日本は日本でいいじゃぁねぃかい?俺ぁお前さんの家に行って自分の国の物が置いてあったらそりゃあ嬉しいけどさ、やっぱりお前らしいのがいいと、俺ぁ思うんだがなぁ」
そんな言うくせに、自分の家には日本で買い付けたいろいろが所狭しと置いてあるのは、一体なんなのか。同じだけの愛を返させてくださいよ、と行ったら、仮面から出ていた耳まで真っ赤になって狼狽えたのは見物だったのだけれど。
あの飛行機は、どこへいったのだろうか。
一つ、ため息をついて、庭の掃除を終わらせると、さっそく台所へ向かう。
ぽちくんも興味深そうに付いてきて、たまも分かっているのか、ちろりと顔だけあげてまた台所の棚の上に飛び乗った。
「えっと、こっち、ですっけ?」
そうそうにジャズヴェを発見して、戸棚の中のトルコ産のコーヒーを手に取る。
作り方は教えてもらっているから分かっている。ついでに、占いまでしてしまおう。
8グラムちょっきしに計って、パウダーになっているコーヒーをジャズヴェに放り込む。砂糖は少なめにして、一杯分の水を入れて、弱火にかける。ぐるぐると混ぜている間、また、飛行機が飛んで行くのが音で分かった。
カップに注いだトルココーヒーの出来は上々で、なかなかの味だ。
ここは自国であるとは分かっているのだが、(自国でなければとなりにはトルコさんが行儀よくちんまりとソファにでも座って一緒に飲んでいるのだろうから)
「ふう、美味しいですね」
言っても返事はぽちくんの「きゃわん!」と、たまのしっぽがふわりとするだけで、人の声で返事は無い。
「あー・・・・。」
仕事が無ければ会いに行くんですけど・・・。と一人ごちる。
会いたい、と思ったときに会えないのは、辛い。
けれど、会えたときの幸せ加減といったらない。
「はあ、今日は、トルコ料理でも食べにいきますかね。」
少しでも、こんな遠くでも、近くに感じることができたら、それでいいのだ。
思うに、今頃彼も、同じ空の下、ああ、日本食でも食べにいこうかねぇとか言っているのだろうから。
返事はやっぱり、ぽちくんの、「きゃわん!」だった。
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