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無意識の誘惑

西+伊兄弟×日
爺が強気。
そんで後で痛い目あうんです。
続くかも…?
無意識の誘惑



空を見れば、雲一つなく澄み渡っている。傾いた日のさす午後3時。風も涼やかに頬を撫でて、庭の草花を揺らす。空気には秋の香りがたっぷりと含まれている。
夏場のけだるさも今は姿を消して、ようやく曼珠沙華が揺れている。
縁側から見える景色も、随分秋色に色づいて、感傷的になってしまうが、鼻をくすぐるチョコレートの香りがそれを止める。
「日本!出来たでぇ~!親分特製、激うまココアやで!」
どどーん!と後ろから効果音の幻聴が聞こえそうなどや顔をしながらこちらにやってくるのは、先日からこちらに遊びに来ているスペインさんである。ついでに言うと、膝を占領しているのがイタリアくんで、背中を占領しているのがロマーノくんである。
スペインさんが来るということで準備をしていたら、彼が到着してすぐに彼らが、
「おい、スペインのやろー!抜け駆けすんな!」
「にっほ~ん!俺、俺、俺だよ~!ねぇ、開けてよ~う!ねえ、ねえってば、にほーん、ねえ、開けて、開けてよぅ…」
とヤクザか某祟りアニメ宜しく扉をビシビシ叩いて騒いで上がり込んだのだ。
彼らはとても仲がよく、特にロマーノくんとスペインさんはよく漫才を見せてくれた。
「ありがとうございます。…すみませんね、」
そう言うと、彼は笑った。
「そんなん!全然気にしやんでえぇんやで!俺が好きでやっとるんやもん!」
それでも、何となく申し訳ない気がする。
「せやけどさ、…ごめんな?この子らついてきてしもて…。」
逆に謝られ、あたふたする。
取りあえず、彼の手からココアを受け取ると、温かいマグカップが手に染みた。喉を過ぎる温度と、口に広がる優しい甘さ。自然と口の端が上がった。
「いいえ、ちっとも。皆さん、私にとって可愛い孫みたいな物ですから。爺はうれしいですよ。」
「孫なん?俺と日本やったら、俺がお父ちゃんやろ?んで日本がお母ちゃんやん。そしたら二人は息子っちゃう?」
「ちっげーよばか!俺と日本が夫婦だろうが!バカスペイン!」
「違うよ兄ちゃん~!俺と日本が夫婦だよ~」
いつの間にか二人とも起きていたのか、好き勝手に主張を始めた。苦笑いをしながらも、応戦して譲る気のないスペインさんも、真っ赤になって反論するロマーノくんも、未だに膝の上でにこにこ笑っているイタリアくんも、みんなどこか可愛らしい。
スペインさんの入れてくれたココアを飲み干すと、マグをテーブルに戻す。視線を膝に向けると、膝の上に丸まる猫のように、ほわほわした機嫌の良さそうなイタリアくん。
遠い昔、華やかだった宮中を思い出した。
ふう、と息をついた。

「いいですよ、みんな纏めてお相手しますよ。かかってらっしゃいな。」
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