忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

本田菊の憂鬱

露日。
とあるSNSで露の男性が全裸で寝ると聞いて。
本田菊の憂鬱



「こんばんわ!日本くーん」
この人はいつも突然やってくる。
また今日も先触れもなく、夜も更け、さあてテレビを点けてゲームでもしようかと思った時に鍵をかけたはずの玄関が、開けもしないのに勝手に開いて図体の大きな白クマ…もといロシア人が立っていた。
「え、ちょ、…」
何事であるかなんぞ聞く方が野暮である。聞かぬが勝ち、突っ込まないが勝ちなのだ。
「こ~んばんは!」
大事なことなので二度言いました。ですか、はい。
「……いらっしゃいませ。どうぞ」
「え、いいの?やったぁ」
一体何しに来ているのか、わからないのはこちらもで、彼は頻繁にやってきては、たいていは昼前に来て、夕食を食べて帰って行く。特にどこに行くでもなく、私自身、彼が家にいるときに出かけたくないこともあって、日がな一日ぼけっとしている。たまに魔の手から逃れられずに、手込めにされることもあるが、大抵は平和である。
何で今日は夜に、と思いながらゲームは諦めて台所へ行くと、お茶を入れる。彼が好きで前に自ら買ってきて、これもまた勝手に置いていった(しかも、ご丁寧にも拙いひらがなで、「ろしあ」とかかれている)紅茶で、これまた彼がいつの間にか持ってきて置いていったティーセットを使った。
「はいはい、お待たせしました。」
お茶を運ぶと、慣れたものできちんとテーブルの前にちょこんと座って待っていた。初めは怯えて近づこうとしなかったのに、いまでは私の次になついているのではないかくらいに思える、ぽちくんがロシアさんの膝の上で幸せそうにじゃれついている。
「ありがとう。」
「はあ…というか、珍しいですね、夜に来るのは…初めてじゃないですか」
ロシアさんは見かけによらない上品な仕草で紅茶を一口飲むとにっこり笑った。
「そういえばそうかなぁ」
じゃ、ねえよ!と思わず突っ込みたくなったが抑えた。
「今日は仕事が長引いちゃったんだよね。もう、あいつら始末しちゃおうかなって何回も思ったよ~うふふ」
至極楽しそうな表情ではあるが、口からでる言葉は恐ろしい言葉で、物騒極まりない。そんな話はよそでして欲しいものだ。
「そうですかあ。それはそうと、あなた、お風呂出来てますから先に入ってくださいよ?」
さらりと先程の話は右から左へ受け流し、さっさと風呂をすすめる。…なんか、新婚みたいな言い方になってしまった。
「えっ!」
「………、え?」
自分でも言ってからまずかったとわかっていたので、敢えて反応されると照れるのだが、と思ったのも束の間、勘違いであることがわかる。
「泊まっていいの?」
そこかよ!
なんだかそんな遠慮とかそういうものを持ち合わせていないと思っていたので非常に意外だ。と、いうか、何も言わなければ彼はそのまま帰ったのか。選択肢を間違えてしまうとは、ギャルゲーエロゲーその他諸々のシュミレーションゲームを容易くクリアしてきたプライドが傷ついた。たいしたことないが。しれっとして、
「嬉しいなぁっ!お泊まり~うふふ、初めてだ…」
などと言っている大男を横目でみる。…ま、可愛いじゃないですか、いいかな別に。一晩くらい。
さっさと風呂に追い立てて、客間に布団を敷いた。背丈が大きい人だ、アメリカさんにするのと同じように、敷き布団を二組を隙間を無くして敷き、その上から大きいシーツで覆う。即席の和風ダブルベッド?の出来上がりである。掛け布団は四布の大きい物を予め用意してある。さっさと準備を済ませて、居間に戻り、テレビをつける。ゴールデンタイムを過ぎたテレビは少し退屈なニュースを始めたところだった。
「日本くーん。」
風呂場からだろうか、少し響く声が遠くからしている。
「はいはいはい!」
新妻よろしく急いで駆けつけると、服を脱いだロシアさんが、風呂場で困った顔をして仁王立ちをしていた。
「……、え、…なにかありました…?」きょとんとした声が不満だったのか、むすっと顔を赤くして、
「入り方が分からないよ!……一緒に入ってよ。」
「えええっ」
妙な上擦った声が出てしまった。
いやしかし良い体をしている…じゃない、聞きたくない言葉を聞いてしまったせいで現実を逃避してしまう程の衝撃だった。
「いいじゃない。君のとこの文化でしょ?銭湯もあるんだし。僕達が初めて会った頃なんて混浴もあったんだもの。」
いやまさに正論。


なんだかとても疲れてしまったのだが、ようやく風呂にも入れて、あとは寝かしつけるだけである。さっさと寝ちまえよと思いながらもリクエストされた朗読をする本を選んでいる。
結局強く出れずにいつも流されてしまうわけだが、そんな自分が嫌になりそうである。
「ここはありきたりですが…これにしますか」
本を選んで寝間に戻ると、行儀よく布団の上に座って待っていた。
「おや、いいんですよ?布団に入ってくださっても」
そう言うと、ロシアさんは破顔して頷いた。しかし。
「えええっ」
思わず頭が真っ白になって変な悲鳴をあげてしまうくらいに吃驚する。何故か。
それは、彼が折角着た寝間着をいそいそと脱ぎ始め、下着も脱いで、それを丁寧に、全裸で、畳み始めたのだ。
「…待ちなさい、何故脱ぐんです?」
「…どうして?日本くんは脱がないの?」
まるでこちらが間違っているような態度は止めよ、と言いたい。
畳み終えた寝間着を前に、一糸纏わぬ男が正座して問い返してくる様は、怒りとか驚きどころか笑いさえ誘う。なんというミスマッチ。
「脱ぎません。それよりも、どうして脱ぐ必要があるんですか?」
「だって、皮膚が息できないじゃない?」
「は……」
意味がわかりません。頭は急停止して真っ白である。
その沈黙が気に入らないのか、むすっとしたロシアさんは、今度はいきなり私の浴衣に手をかける。
「日本くんの方が変だよ。」
「えっ、ちょ、やめなさい!」
「やだっ」
「やだじゃない!こら!わあ」
悲しいかな、浴衣は脱ぎやすい。あっというまに下着一枚に剥かれてしまった。にんまりと笑うロシアさんの顔のいやらしいこと。
「…なんか、日本くんヤらしい…」
それはこっちの台詞である。裸の男に言われたくない。まだ下着をつけているこっちのほうがまともな格好に決まっている。じろ、とねめつけると、意に介さないように歯が輝くくらいな笑顔を返してくる。
「…全部脱いでるよりも、下だけつけてるほうが、そそるよね…」
「変態!!」
「脱がしたくなるよね。うふふ。…つけたままイッちゃったりしてさ、」
もう、言葉も出せずに、頬は熱いは酸素が少ないわでどうしようもない。
「…試してみる?」
コルホーズにぶち込まれそうな空気である。彼の後ろからピンクなコルコルが聞こえてくるのは気のせいか。
「あ、えぇ~……」
視線を流したのだが、顎を掴まれ、逃げられない。
「……。僕、菊くんが欲しいなぁ~」
名前を呼ばれ、背筋が粟立つ。
「くっ…!」
必死で下着に伸びてくる手を交わすも、しつこくその手は下着を掴もうとする。
なんとか彼の左手を掴んだ、と思ったら、隙をつかれて彼の右手が下着を掴んだ。
「ちょ、やめ……!」
「うふふ~」






「アーーーーッ!」
結局、するきもなかったのに思うようにされてしまった。
しかし、そのつもりで来たのかと罵れば、至って真顔で、そんな訳ないとしれっとのたまった。
PR

西條事情

店主:西條

リンク:同人サイト様のみ
店名:三日月商會
アドレス:http://blaueterra.blog.shinobi.jp/
メルフォは下にあります。

contact

何かありましたらこちらへどうぞ