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これでお終い、これで始まり

初、伊日。
初恋はレモン味といいますが、レモンは伊産でいいですよね!
リモンチェッロおいしいです
これでおしまい、これで始まり



「ねえ、日本と俺はず~~~~っと友達だよ!」

「え、は、はあ、それはその・・・ありがとうございます。」

頬を真っ赤にしてうなづく日本はとても可愛かったのだけど、わざわざそんなことを口にしなくては、自分の思いを施錠できない自分に、
そして胸に秘めた思いを無視して、しれっとそんなことを言えてしまう自分が可笑しかった。

独占欲が強いのは昔から。

けれど、それを覆い隠すほどの仮面を備えていただけのことだった。

別に、自分が末恐ろしいなんて思わない。だれだって、そんな一面を持っているのだと思うから。



それも今日でお終い。



ヴェネツィアーノは風に揺れる黒く美しい髪を横目に捉えた。

彼は象牙色のきめ細かな肌に、長く黒々としたまつ毛、肩幅も狭く、まるで女性のようなのに、外見に似合わず年上で、しかも男前である。

何度も、ふとした拍子にどきりとさせられたけれど、結局は彼は小さくひ弱な存在であるのだから、
守ってあげたいというのが芯の気持だった。



「ところで、日本」

笑顔を張り付けた顔。心の中ではこんなにどろどろとしているのに、なぜか彼の前だと口の端が上がった。

これから、意を決した言葉を発するのに、こんなに自信がない。

他の人なら、どんな時だって、謳うように口からついて出るというのに。

「はい?なんでしょう」

にっこり、と幸せをかみしめるような笑顔に、心が痛む。

「ずっと、言おうと思ってたんだけどさ、俺、俺……」







友達だよ、と釘を刺されてしまった。

見え見えだったのだろうか、この下心は。ばれないように、偲んでいたはずだった。

誰とでも同じように接して、それと気がつかれないよう。

元来、他人との接触を避けてきたところがある。

それゆえ、皆が理解を示してくれていた。彼以外は。彼はもともとの性格上、スキンシップを多く好む。

それを利用して、やられてしまっています、という顔をして、その実それを楽しんでいたのだ。

友達だよ。ずっと。

うれしいような、悲しいような。

この醜悪な思いを焼き払ってしまえたらよかったのにと、思った。

彼とこうして友達として、ここにいられるのはこれで最後かもしれない。

この気持ちを暴いたら、彼はきっと、普段の笑顔を消して、醜いと罵るのだろうから。

さあ、これでお終い。

口を開いたところに、ヴェネツィアーノくんが先に口を開けた。

「ところで、日本、」

屈託のない笑顔。優しい。

彼がみる世界はどんなふうに見えるのだろうか。

しびれる脳で彼を見据えた。

「はい、なんでしょう」

これで、終わる。

涙は未だ出ないでくれ。そう思いながら笑った。

「ずっと、言おうと思ってたんだけどさ、俺、俺……」

君の視線がずっと気持悪かったんだよね、なんか、そういう目で見られるのは俺、いやなんだ。

幻聴が聞こえる。幻聴じゃないのだろうか。






「日本が好きなんだ」





「そうなんです、私、ずっと貴方の事が・・・・・・へ?」

日本が、今までに見たことがないくらいの、間の抜けた顔をしていた。

「あ、……え?それはどういう……」

だんだんと、耳まで赤くなっている。

「俺!日本が好きなんだ、愛してるの!」

日本の両手をつかんで、じっと眼を見ると、明らかな動揺がうかがえた。

表情が読みにくいとか、無表情だとか、そんな風に言われる彼は、今、ここにはいなかった。

ここにいるのはただの、小さくて可愛い日本だった。

「えっ……と・・・」

「日本は?俺のこと、どう思う?好き?嫌い?」

何回か口がはくはくと動くも、声が出てきていない。首をかしげて、笑うと、ようやく彼は蚊の鳴くような

小さな小さな小さな声で、

「お、お慕いしております・・・・」と言った。









「最近、なんかイタリアがうっとうしいんだぞ!俺と日本の間に絶対座るんだもん!」

アメリカが、イギリスに向かってキーキーと騒ぎながら、会議室に向かう廊下を歩く。

その大分後ろを日本がが、眉を寄せながらイタリアと歩いていた。

「ですって、ヴェネツィアーノくん、どうします?」

「ヴェーー、どうもしないよ、俺は日本の隣に座るって決めたんだから!」

ぎゅっと、手を握ると、やんわりと握り返される手に、自然と二人に笑みがこぼれた。
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