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きらきらしたこども

露日。やまなしおちなしいみなし。
ブリタニアエンジェルによって小さくなったろさま。
きらきらしたこども





なんだろう、これは。目の前にいるきらきらした生き物を、思わず凝視した。
事の発端は、イギリスさんが例のアレになって、アメリカさんを追いかけ回したことから始まる。小さくされるのが嫌で逃げていたアメリカさんが、私の前に立ちはだかっていたロシアさんにぶつかってしまったのだ。そこへ、イギリスさんが魔法をかけた、と。
大きな音と共に上がる煙。
煙が消えたそこにいたのが、このきらきらした生き物。
「う、」
「卯?」
小さなそれが弱々しく声をだした、その後、
「うわぁああああああん!ヤダよ、怖いよ!苛めないで~!」
泣き出した。
「泣かないでください、いじめたりしませんよ!」
「う、えええんっく」
紫の瞳から大きな涙がぼろぼろこぼれ落ちる。マフラーがトレードマークのロシアさんが、小さな体をして泣いていた。
子供のロシアさんは今とは性格がまるで違うように見える。
「ほら、こっちにいらっしゃい」
周りから、恐る恐ると言った固唾を飲むような視線を感じながら、同じ目線になるようにしゃがみこんで両腕を広げる。
「…」
きゅっと広げた手を握るその手も、いつも迫ってくる時の手と違い、小さな小さな手だ。
よいしょ、と抱き上げると、ぎゅっとしがみついてくる。
「ほら、泣かない泣かない。爺がついてますからね。…イギリスさんも見てないでそこのアメリカさんを何とかしてくださいよ。皆さんも、見てないで会議の準備をしてください、」
慌てて皆、動きだして一気に騒々しくなる。
ロシアさんを抱いているので、両手がふさがってしまい、足元に絡みついているアメリカさんはどうしようも出来ない。
「ぼ、僕を守ってくれるの?」
小さくなってしまい、不安定になった彼は、やたらめったら可愛く見える。
思えば、彼の幼い頃の話を聞いたことがない。話す仲ではないからかもしれないが、彼の姉も、妹も、過去を一切話そうとしない。彼が怖いものの話も聞いたことがない。どうして小さい子供が、こんな風になるのかを、聞いたことがなかった。
考えてみれば彼の言動の端々に表れていたのに。
「もちろんですよ。」
いつもなら出来る筈もない、彼の頭に手を置いて、優しく撫でる。昔、中国さんにしてもらったみたいに。それ以上に愛情を込めて。小さな子供は大きな紫の瞳をきらきらさせて、頬を染める。小さな子供の愛らしさが全開になって、ますます笑みがこぼれる。
らしくなく、このまま連れて帰って甘やかして育てたくなってしまった。
もしもだれかに、ロシアさんが甘やかせてもらって育てられたなら、今となにか違ったろうに。
年のせいか何なのか、父性本能か母性本能か、もうすでにロシアさんの親気分になってしまった。
足元に絡みついてぐずっているのは同じ様に子供に戻ってしまったアメリカさん。イギリスさんに手をひっぱられるも、離れようとしない。
「離せよイギリス!、日本に俺もだっこしてもらうんだぞ!」
てこでも動かないアメリカさんも抱き上げてやりたいところだが、ロシアさんを抱いている上に、アメリカさんの声を聞いてひ弱な力ではあるけれど、ひっしっと抱きしめてくるので、ここで降ろすのもかわいそうだ。
「わがままを言ってはいけませんよ、アメリカさん」
ロシアさんを抱かえたまましゃがみ、頭をなでる。
「日本!これはロシアの陰謀なんだぞ!」
「ふ、ええええん!」
「こら。もういいですから、会議中は静かに。」
丁度、ドイツさんが心配そうにこちらを伺いながら会議を始めようとしているところだった。
席につき、隣に座る筈だったロシアさんを膝の上に乗せる。
反対側に座ったのはアメリカさんを膝に乗せようとして失敗したイギリスさんで、その向こうにアメリカさんがつまらなさそうに小さな体で大人のような仕草で頬杖をついていた。
「イギリスさん、この魔法はいつまで続くんです?」
イギリスさんに聞くと、不味そうに顔をしかめた。
「…すまない、俺にもわからないんだ…」
「そうですか…」
会議が終わっても戻らなかったら、今日は家へ連れて帰ろうか。
そう思いながら、会議を始めたドイツさんに視線を戻した。



結局会議が終わっても元に戻らず、彼が元に戻ったのは、何かの策略か、二人で風呂に入っているときだった。



「わあっ!」
「あっ元に戻った!」
「……」
「日本くん、抱いていい?」
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