ロージー
露日。同名曲を聞いていて妄想しました。春の幸せオーラ満開です。
ロージー
いつも、春が近くなると、彼に出会えて良かったと思う。
それも尋常じゃなく。世界まで輝いて愛おしく思えるくらいに。
冬が厳しいから、冬の間はなんとなく気が変になる。
日照時間が少ないから、気が滅入るのだ。どんよりと暗い空に、明けてもすぐに暮れる空。
だから、春が近くなってどうしようもなく嬉しくなって、何も考えずに飛行機に飛び乗ったのだ。
予想通り、彼の家のほうが随分暖かくて、こんな格好の自分は視線を集めるばかりだ。
「もうコートが要らないんだ…」
独り言を言ってタクシーに乗る。どちらまで、の質問はされるまえにこちらが告げる。彼の家の前に乗り付けることができないから、近くの目印を言うと、それきり運転手は話さなかった。
着きましたよ、と運転手が口を開く。
「アリガトウ」
なれない日本語で言うと、運転手は照れたようににっこり笑って頷いた。
早く会いたい。早く会いたい。
自然と早足になる。
太陽は冬よりも明るく、木々の葉の色もより輝く。
風がわずかに暖かく、太陽の温もりを孕んでいる。
本田、という表札のかかった立派な門構えの家で、足を止める。呼び鈴をならせと前に怒られたけれど、そんなことすらすっとばしてしまうくらいに、この胸から愛が溢れ出す。
「こらっ!」
勝手に門をくぐり抜けて、玄関へ向かったところで聞こえた声。
「日本くん!」
聞いたらすぐにわかる。彼が、苦笑いをして立っていた。
「まったく。呼び鈴を鳴らしてくださいと前にも言ったじゃないですか。」
「うん、でもね、そんなことして待ってる時間も惜しくって」
「…今日はどうしたんですか。いつもに増して、顔の周りに花が一杯ですよ」
よくわからない比喩は、流してしまおう。だって伝えたくて伝えたくてしかたないことがあるのだ。
「?うん。あのね、僕、日本くんに会えてよかったよ!」
日本くんの顔が真っ赤になる。たぶん、自分の顔だって負けないくらい真っ赤に違いない。
「日本くん、大好き!愛してる!」
真っ赤なまま動かない日本くんをひっぱって、ぎゅっと抱きしめる。
抱きしめた日本くんの鼓動も速い。けれど、きちんとこちらに手を回して、抱きしめてくれる。
「わ、私だってあなたよりもっとあなたを愛してますから!」
華奢で小さな日本くんの体は、すっぽりとこの腕に収まって、コートの中に隠してしまえそうなくらい。それなのに、そこからはこちらを世界で一番幸せにしてくれるものが流れている。
ひょいと抱き上げると、上から、わあ、とか、こらっ、聞こえるけれど、知らないふりをしてしまおう。
だって幸せだから。
(生まれた時からずっと君に抱きしめて欲しかったの!)
いつも、春が近くなると、彼に出会えて良かったと思う。
それも尋常じゃなく。世界まで輝いて愛おしく思えるくらいに。
冬が厳しいから、冬の間はなんとなく気が変になる。
日照時間が少ないから、気が滅入るのだ。どんよりと暗い空に、明けてもすぐに暮れる空。
だから、春が近くなってどうしようもなく嬉しくなって、何も考えずに飛行機に飛び乗ったのだ。
予想通り、彼の家のほうが随分暖かくて、こんな格好の自分は視線を集めるばかりだ。
「もうコートが要らないんだ…」
独り言を言ってタクシーに乗る。どちらまで、の質問はされるまえにこちらが告げる。彼の家の前に乗り付けることができないから、近くの目印を言うと、それきり運転手は話さなかった。
着きましたよ、と運転手が口を開く。
「アリガトウ」
なれない日本語で言うと、運転手は照れたようににっこり笑って頷いた。
早く会いたい。早く会いたい。
自然と早足になる。
太陽は冬よりも明るく、木々の葉の色もより輝く。
風がわずかに暖かく、太陽の温もりを孕んでいる。
本田、という表札のかかった立派な門構えの家で、足を止める。呼び鈴をならせと前に怒られたけれど、そんなことすらすっとばしてしまうくらいに、この胸から愛が溢れ出す。
「こらっ!」
勝手に門をくぐり抜けて、玄関へ向かったところで聞こえた声。
「日本くん!」
聞いたらすぐにわかる。彼が、苦笑いをして立っていた。
「まったく。呼び鈴を鳴らしてくださいと前にも言ったじゃないですか。」
「うん、でもね、そんなことして待ってる時間も惜しくって」
「…今日はどうしたんですか。いつもに増して、顔の周りに花が一杯ですよ」
よくわからない比喩は、流してしまおう。だって伝えたくて伝えたくてしかたないことがあるのだ。
「?うん。あのね、僕、日本くんに会えてよかったよ!」
日本くんの顔が真っ赤になる。たぶん、自分の顔だって負けないくらい真っ赤に違いない。
「日本くん、大好き!愛してる!」
真っ赤なまま動かない日本くんをひっぱって、ぎゅっと抱きしめる。
抱きしめた日本くんの鼓動も速い。けれど、きちんとこちらに手を回して、抱きしめてくれる。
「わ、私だってあなたよりもっとあなたを愛してますから!」
華奢で小さな日本くんの体は、すっぽりとこの腕に収まって、コートの中に隠してしまえそうなくらい。それなのに、そこからはこちらを世界で一番幸せにしてくれるものが流れている。
ひょいと抱き上げると、上から、わあ、とか、こらっ、聞こえるけれど、知らないふりをしてしまおう。
だって幸せだから。
(生まれた時からずっと君に抱きしめて欲しかったの!)
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リンク:同人サイト様のみ
店名:三日月商會
アドレス:http://blaueterra.blog.shinobi.jp/
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