果たさない約束を
露日。
先日のニュースを見て。
先日のニュースを見て。
果たさない約束を
「おや、今日は貴方も一緒に来たんですか。」
いつもは国で留守番をしているくせに、季節のいい今日この頃を聞き付けて、今日は彼も上司と共に日本の土を踏んだ。
上司同士が話し合っている間、お茶をいれるくらいこれといってすることも無いので、控え室はしんとしている。ロシアさんでさえ、何も言わずに外をながめていた。知らず、そんなロシアさんを眺める。不意に、それまで何の表情もなかったロシアさんの顔に悲しい笑みが浮かんだ。
「僕の上司がさ、君の右手を離せって、言うんだ。」
相変わらず外を眺めたままで、ロシアさんがぽつり、と溢した。
「…」
「日本くん、どうしたらいいと思う?」
答える事ができなくて、俯いた。確かに、上司も私の右手を取り戻したくて、やっきになっている。しかし、そんな上役同士のやりとりとは裏腹に、この右手にかかった見えない鎖が外されるのはとても、胸がじんわりと痛くなった。
「僕は、離したくないよ…」
小さな子供のように、くしゃりと顔を歪めて涙をこらえるかれは、とても愛しく感じて仕方がない。
「離さなければいいんですよ」
はっきりと、声が響いた。
「?」
「離さなければいいんです。私の上司とあなたの上司が取り決めても、後から「そんなことは言っていない」とか「条件を満たしていない」とか言って知らん顔をすればいいんですよ。」
いやにすんなりと、すとんと心が通った。そうだ、そうすればいいじゃないか。何も、約束は守らなければならないものではない。守らないことを前提にした約束をすればいいのだ。
「日本くん、らしくないね。」
そういいながらも、ロシアさんは向日葵のように笑った。
「おや、今日は貴方も一緒に来たんですか。」
いつもは国で留守番をしているくせに、季節のいい今日この頃を聞き付けて、今日は彼も上司と共に日本の土を踏んだ。
上司同士が話し合っている間、お茶をいれるくらいこれといってすることも無いので、控え室はしんとしている。ロシアさんでさえ、何も言わずに外をながめていた。知らず、そんなロシアさんを眺める。不意に、それまで何の表情もなかったロシアさんの顔に悲しい笑みが浮かんだ。
「僕の上司がさ、君の右手を離せって、言うんだ。」
相変わらず外を眺めたままで、ロシアさんがぽつり、と溢した。
「…」
「日本くん、どうしたらいいと思う?」
答える事ができなくて、俯いた。確かに、上司も私の右手を取り戻したくて、やっきになっている。しかし、そんな上役同士のやりとりとは裏腹に、この右手にかかった見えない鎖が外されるのはとても、胸がじんわりと痛くなった。
「僕は、離したくないよ…」
小さな子供のように、くしゃりと顔を歪めて涙をこらえるかれは、とても愛しく感じて仕方がない。
「離さなければいいんですよ」
はっきりと、声が響いた。
「?」
「離さなければいいんです。私の上司とあなたの上司が取り決めても、後から「そんなことは言っていない」とか「条件を満たしていない」とか言って知らん顔をすればいいんですよ。」
いやにすんなりと、すとんと心が通った。そうだ、そうすればいいじゃないか。何も、約束は守らなければならないものではない。守らないことを前提にした約束をすればいいのだ。
「日本くん、らしくないね。」
そういいながらも、ロシアさんは向日葵のように笑った。
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