おいでおいで
露日なのかすら分からない
おいでおいで
春に少し近づいた日に、彼はやってきた。
ロシアさんは春そのものみたいな華やかな笑顔でやあと言った。
「どうしたんですか」
理由もなく来ることなんか、しょっちゅうだと言うのは分かっているのだけれど。
「もうすぐ春でしょう?日本君のところは花が咲いたかなぁって思って」
「あぁ、そういうことなら、今は丁度梅や桃が見頃ですよ。庭にあります。」
ロシアさんは私の言葉にうんうんと頷くことで相槌を打つと、
「見たいなぁ」
と言った。私は先程の彼のようにひとつうん、と頷くと、玄関の扉を開けた。
その瞬間に吹き込んだ猛烈な花吹雪にぎゅっと目を閉じる。
風が吹き去って、そっと目を開ける。
「ロシア…さん?」
そこに先程迄の彼の姿は無く、私は居間の窓から外を眺める形で横たわっていた。
「ああ、もう!」
私は直ぐに着物を脱ぎ捨て、洋装に着替える。
急く気持ちを押さえることなくロシアへと旅立ったのだった。
春に少し近づいた日に、彼はやってきた。
ロシアさんは春そのものみたいな華やかな笑顔でやあと言った。
「どうしたんですか」
理由もなく来ることなんか、しょっちゅうだと言うのは分かっているのだけれど。
「もうすぐ春でしょう?日本君のところは花が咲いたかなぁって思って」
「あぁ、そういうことなら、今は丁度梅や桃が見頃ですよ。庭にあります。」
ロシアさんは私の言葉にうんうんと頷くことで相槌を打つと、
「見たいなぁ」
と言った。私は先程の彼のようにひとつうん、と頷くと、玄関の扉を開けた。
その瞬間に吹き込んだ猛烈な花吹雪にぎゅっと目を閉じる。
風が吹き去って、そっと目を開ける。
「ロシア…さん?」
そこに先程迄の彼の姿は無く、私は居間の窓から外を眺める形で横たわっていた。
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急く気持ちを押さえることなくロシアへと旅立ったのだった。
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