リチャード・ローは告白する
露日
リチャード・ローはロリータによると匿名の原告の仮称だそうな。
リチャード・ローはロリータによると匿名の原告の仮称だそうな。
*
*
疑心暗鬼などとゐふのは。
誰も彼もが敵に見へました。
さふして誰かに操られてゐるのが分かつてゐるのにこの腐臭漂ふ手足は戦ひ続けました。
今でも、ふと時分を思ひだします。さうすしますと、視界が暗く、また。
「アメリカさんとロシアさんは…本当は仲が良いのではないですか」
薄暗ひ部屋は、昨夜の残り香が色濃く、
「どうして?」
につこりと笑みを浮かべる貴方に私は只、にらむことしかできなひ。
「だって…敵だなんだと言いながら、私に対してはやり方が違うにしろ、同じことしたでしょう?」
自ら原因を作つてをひて、身勝手な正義感で私を殺した彼と、同盟を破つて侵略してきた貴方。何処が違ふのでせう。
私は死んで身動きがとれなひといふのに、貴方の侵略を見て見ぬ振りをした彼の人は、貴方の性格を知つてゐて、なのでせう?二人は内々で、約束してゐたのでせう?仲が悪ゐふりをして。
せうでなくては。
ですから私は彼の人への報復として、貴方を受け入れるのですから。
此の胸の片隅に確かに有る、うら若ひをとめのやうな、青々とした少年の吐息のやうな、稲穂を激しく揺らす春風は其れを遂行するための偽りなので御座います。
「ちがうなぁ~。僕は最初から君が欲しかっただけだもの。彼奴が勝手に決めたルールなんて守る必要ないでしょ?」
少しだけ貴方を羨ましく思ふのも、偽りなのです。
「それに、」
此方に向かつて伸びて来る手に、体が熱くなるも偽りで御座ひます。
「こうでもしないと、こっちに来てもくれないし、振り向いてもくれないじゃない」
偽りであるのは。
白ひ、肉付きのよゐ体に熱ひ体温。私の躰の上をさ迷ふ手を逃げもせず。
愛撫に甘ひ声を上げて。
其れもすべて
嘘であればよいのに
嘘を付かねばならぬほどに
私は此の男を愛してしまつたのだらう
*
疑心暗鬼などとゐふのは。
誰も彼もが敵に見へました。
さふして誰かに操られてゐるのが分かつてゐるのにこの腐臭漂ふ手足は戦ひ続けました。
今でも、ふと時分を思ひだします。さうすしますと、視界が暗く、また。
「アメリカさんとロシアさんは…本当は仲が良いのではないですか」
薄暗ひ部屋は、昨夜の残り香が色濃く、
「どうして?」
につこりと笑みを浮かべる貴方に私は只、にらむことしかできなひ。
「だって…敵だなんだと言いながら、私に対してはやり方が違うにしろ、同じことしたでしょう?」
自ら原因を作つてをひて、身勝手な正義感で私を殺した彼と、同盟を破つて侵略してきた貴方。何処が違ふのでせう。
私は死んで身動きがとれなひといふのに、貴方の侵略を見て見ぬ振りをした彼の人は、貴方の性格を知つてゐて、なのでせう?二人は内々で、約束してゐたのでせう?仲が悪ゐふりをして。
せうでなくては。
ですから私は彼の人への報復として、貴方を受け入れるのですから。
此の胸の片隅に確かに有る、うら若ひをとめのやうな、青々とした少年の吐息のやうな、稲穂を激しく揺らす春風は其れを遂行するための偽りなので御座います。
「ちがうなぁ~。僕は最初から君が欲しかっただけだもの。彼奴が勝手に決めたルールなんて守る必要ないでしょ?」
少しだけ貴方を羨ましく思ふのも、偽りなのです。
「それに、」
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「こうでもしないと、こっちに来てもくれないし、振り向いてもくれないじゃない」
偽りであるのは。
白ひ、肉付きのよゐ体に熱ひ体温。私の躰の上をさ迷ふ手を逃げもせず。
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嘘であればよいのに
嘘を付かねばならぬほどに
私は此の男を愛してしまつたのだらう
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