ケーキをお食べ
露日
「日本くん、ケーキ、食べない?」
唐突に隣にいたロシアさんが甘えた甘い声で言った。
時刻は午後3時。ちょうど八つ時だ。
時差ボケが酷くて、朝食があまり入らなかった上、昼は寝ている間に過ぎてしまったから(勝手に食べればいいのに、ロシアさんは律儀に食べないで待っていた。私が起きるのを。)ちょうどいい。
「ああ、そうしますか?」
まだ少しぼんやりした頭で、毛布から起き上がり、枕元の椅子に腰掛けたロシアさんを見上げた。
「うん。じゃあ、お茶と一緒に持ってくるから待ってて。」
いつもとは逆だなぁと思いながら、寝乱れた着物を整え、ベッドから抜け出した。
「え、」
思わず、悲鳴のような声を出してしまった。
「うん?はい、日本くんの分ね」
差し出されたケーキ。なんとも鮮やかなライトブルー。イエローのクリームデコレーション。
「これは…、」
某アメリカさんのところのどぎつい蛍光色のケーキたちを彷彿とさせるものではないか!
彼のところはケーキだけにとどまらず、菓子すべてがアメリカンなカラーリングだ。
ロシアのお菓子と言えば屋台かスーパーで売っている素朴なパッケージに甘い中身。
しかし甘すぎない暖かなお菓子に、日本ではパッケージ収集家なんかもいるくらいだというのに。
「ん、食べないの?」
「え、ああ、頂きますよ」
嗚呼、確かこの前テレビで、ダイエットするために、食べ物すべてを青い着色料で色づけて食欲を減退させて痩せたという人の話をやっていたな…
どうしてこの青いケーキが美味しそうに見えるのか…
確かに日本にもブルーハワイと名付けられたラムネ味のかき氷などもあるけども。
「この…ケーキは、なぜ青いんです?」
「うん?」
もしゃもしゃと大口で瞬く間に食べられてゆくケーキ。ロシアさんがフォークを止めた。
「この…青いクリームとか…」
「うーん、何でだろうね。綺麗だからかなぁ~」
「は、あ、なるほど…食欲減退…などはないのですか、」
「…」
それこそ不思議、と言った顔で、ゆっくりとフォークを皿の上にきちんとおいた。
「いえ、悪い意味ではないんです!私はロシアさんのお家の食べ物はとても好きですから!ただ、…その、以前アメリカさんのお家にお邪魔したら、とんでもなく青いケーキが出てきて…!っ!」
何故か急に、言ってはいけないことを言ったような気がして、自分でもわからないようなことを口が勝手に話し出した。
その矢先、くちに広がる甘いクリームの味。
それは甘すぎない、どこか素朴な味だった。
「美味しい…」
ぽつりと零した感想に、にっこりとした太陽のような笑みと、差し出されたフォークにさされたケーキ。
「はい。あーん、」
「…恥ずかしいんですけど…」
「いいじゃない。ほら、あーん、」
差し出されたケーキは、とても甘い。
「アメリカくんはどうかしらないけど、僕はちゃんとした味覚があるからね。色づけは、長い冬の最中でも気分を明るく…ってことで。こんなんじゃぁ、だめかな?」
ロシアさんは紅茶にジャムを入れながら、言う。
それならそうなんだ、そういうことにしよう。
甘すぎない柔らかなクリームの感触と、味が、いつまでも舌に残っている気がした。
唐突に隣にいたロシアさんが甘えた甘い声で言った。
時刻は午後3時。ちょうど八つ時だ。
時差ボケが酷くて、朝食があまり入らなかった上、昼は寝ている間に過ぎてしまったから(勝手に食べればいいのに、ロシアさんは律儀に食べないで待っていた。私が起きるのを。)ちょうどいい。
「ああ、そうしますか?」
まだ少しぼんやりした頭で、毛布から起き上がり、枕元の椅子に腰掛けたロシアさんを見上げた。
「うん。じゃあ、お茶と一緒に持ってくるから待ってて。」
いつもとは逆だなぁと思いながら、寝乱れた着物を整え、ベッドから抜け出した。
「え、」
思わず、悲鳴のような声を出してしまった。
「うん?はい、日本くんの分ね」
差し出されたケーキ。なんとも鮮やかなライトブルー。イエローのクリームデコレーション。
「これは…、」
某アメリカさんのところのどぎつい蛍光色のケーキたちを彷彿とさせるものではないか!
彼のところはケーキだけにとどまらず、菓子すべてがアメリカンなカラーリングだ。
ロシアのお菓子と言えば屋台かスーパーで売っている素朴なパッケージに甘い中身。
しかし甘すぎない暖かなお菓子に、日本ではパッケージ収集家なんかもいるくらいだというのに。
「ん、食べないの?」
「え、ああ、頂きますよ」
嗚呼、確かこの前テレビで、ダイエットするために、食べ物すべてを青い着色料で色づけて食欲を減退させて痩せたという人の話をやっていたな…
どうしてこの青いケーキが美味しそうに見えるのか…
確かに日本にもブルーハワイと名付けられたラムネ味のかき氷などもあるけども。
「この…ケーキは、なぜ青いんです?」
「うん?」
もしゃもしゃと大口で瞬く間に食べられてゆくケーキ。ロシアさんがフォークを止めた。
「この…青いクリームとか…」
「うーん、何でだろうね。綺麗だからかなぁ~」
「は、あ、なるほど…食欲減退…などはないのですか、」
「…」
それこそ不思議、と言った顔で、ゆっくりとフォークを皿の上にきちんとおいた。
「いえ、悪い意味ではないんです!私はロシアさんのお家の食べ物はとても好きですから!ただ、…その、以前アメリカさんのお家にお邪魔したら、とんでもなく青いケーキが出てきて…!っ!」
何故か急に、言ってはいけないことを言ったような気がして、自分でもわからないようなことを口が勝手に話し出した。
その矢先、くちに広がる甘いクリームの味。
それは甘すぎない、どこか素朴な味だった。
「美味しい…」
ぽつりと零した感想に、にっこりとした太陽のような笑みと、差し出されたフォークにさされたケーキ。
「はい。あーん、」
「…恥ずかしいんですけど…」
「いいじゃない。ほら、あーん、」
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店主:西條
リンク:同人サイト様のみ
店名:三日月商會
アドレス:http://blaueterra.blog.shinobi.jp/
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