夏
夏の骸ツナ。
両想いだけど相手にそれが伝えられていないあまずっぱー
両想いだけど相手にそれが伝えられていないあまずっぱー
*
*
*
太陽は、まばゆければ眩いほど、地上の影を黒く染めてゆく。
いつか焼き尽くされてしまうんじゃないだろうかと思う程に熱を持つ8月の、灼
熱の中の寂れたバス停で、暗く影になるその待合の椅子から、照り付ける太陽を
睨んだ。
体にじっとりと汗が纏わりつく。
隣に座った小さな蜜色の髪の少年は頬を赤く染めて額から落ちてくる汗を拭って
いる。
視線をずらせば、汗で張り付いたTシャツが目に入った。
「暑いですか、」
そう問いかければ
「そりゃあ夏だから暑いよ。骸こそ大丈夫なの?」太陽に弱いイメージあるけど
、と続ける。
「僕は綱吉君とは違います。日がな一日クーラーの効いた部屋の中にいる君とは
」
「うぐっ」
しっかし暑いなぁとため息をついて、太陽を見上げるその首筋に、ゆっくりと汗
が伝った。
そもそもその暑い中、どうしてこんな田舎のバス停で二人何をするでもなく座っ
ていなければならないのか。
このバス停の待合いは、一応背後と左右、天井をトタンで覆っているものの、建
物ではなくただ単に風凌ぎ日差し凌ぎといった具合な簡素な作りで、ちっとも暑
さは外とかわりがない。
外と言っても中と外の区別なんてあるのかというものだが、日陰でないところを
外として、辺りは某森の妖精と幼い姉妹の交流を描いた物語かはたまた某同じ月
を何度も繰り返す少年少女の物語に登場しそうなくらいに緑がうっそうと茂り、
目の前には山の入り口が見える。
「なんでこんなことになったんだ…」
隣に座りため息をつく綱吉に、骸は何と返すこともなくぼんやりと見つめた。
「だってこれどう考えても変だよ。骸だって俺なんかとペアなばっかりに…」本
当にごめん!と袖をつかまれてどきりとする。
「…僕は別に君とペアになったことに関しては不満はありません。あの鳥頭とペ
アにされるのも嫌ですし。かと言って他の者と組み合わせられても困ります。」
「うん…」
「ただ。この課題は理解できませんね。」
(二人で二泊三日温泉旅行、なんてね)
むしろこれは課題というか只の休暇とも言えるんじゃないだろうか。確かに、毎
日部屋から出ようとしない綱吉にとっては夏の日差しを浴びる試練といえなくも
ないが…
(正直僕にとっては綱吉くんと二人になれて嬉しいくらいですよ…しかし、何か
あるのは間違いなさそうだ。)
もしかすると、今頃沢田家には敵対ファミリーか、まだ綱吉のボス就任を認めて
いない内輪かが彼を暗殺に訪れているかも知れなかった。
そういえば、と思い出す。
(確か…沢田奈々はあの子ども達と二日程前から旅行…だったか。そしてスモー
キングボムは姉と修行…、)
どうやら憶測は事実と言ってもいいらしかった。
「さて。待っていても仕方が無い。これからしばらくは二人です。歩いて目的地まで行きましょうか。」
振り返ると、やはり熱さに辟易した彼のだらりと力の抜けた、嫌に艶っぽい瞳とかち合った。
(まずいですね....さすがに僕もこれは)
このまま何ともなく過すのも勿体ない気がするが、今はそんな場合ではない。
無事に彼と過せる様に、と天を仰ぐと、
まだまだ光を失わない夏の太陽が輝いていた。
*
*
太陽は、まばゆければ眩いほど、地上の影を黒く染めてゆく。
いつか焼き尽くされてしまうんじゃないだろうかと思う程に熱を持つ8月の、灼
熱の中の寂れたバス停で、暗く影になるその待合の椅子から、照り付ける太陽を
睨んだ。
体にじっとりと汗が纏わりつく。
隣に座った小さな蜜色の髪の少年は頬を赤く染めて額から落ちてくる汗を拭って
いる。
視線をずらせば、汗で張り付いたTシャツが目に入った。
「暑いですか、」
そう問いかければ
「そりゃあ夏だから暑いよ。骸こそ大丈夫なの?」太陽に弱いイメージあるけど
、と続ける。
「僕は綱吉君とは違います。日がな一日クーラーの効いた部屋の中にいる君とは
」
「うぐっ」
しっかし暑いなぁとため息をついて、太陽を見上げるその首筋に、ゆっくりと汗
が伝った。
そもそもその暑い中、どうしてこんな田舎のバス停で二人何をするでもなく座っ
ていなければならないのか。
このバス停の待合いは、一応背後と左右、天井をトタンで覆っているものの、建
物ではなくただ単に風凌ぎ日差し凌ぎといった具合な簡素な作りで、ちっとも暑
さは外とかわりがない。
外と言っても中と外の区別なんてあるのかというものだが、日陰でないところを
外として、辺りは某森の妖精と幼い姉妹の交流を描いた物語かはたまた某同じ月
を何度も繰り返す少年少女の物語に登場しそうなくらいに緑がうっそうと茂り、
目の前には山の入り口が見える。
「なんでこんなことになったんだ…」
隣に座りため息をつく綱吉に、骸は何と返すこともなくぼんやりと見つめた。
「だってこれどう考えても変だよ。骸だって俺なんかとペアなばっかりに…」本
当にごめん!と袖をつかまれてどきりとする。
「…僕は別に君とペアになったことに関しては不満はありません。あの鳥頭とペ
アにされるのも嫌ですし。かと言って他の者と組み合わせられても困ります。」
「うん…」
「ただ。この課題は理解できませんね。」
(二人で二泊三日温泉旅行、なんてね)
むしろこれは課題というか只の休暇とも言えるんじゃないだろうか。確かに、毎
日部屋から出ようとしない綱吉にとっては夏の日差しを浴びる試練といえなくも
ないが…
(正直僕にとっては綱吉くんと二人になれて嬉しいくらいですよ…しかし、何か
あるのは間違いなさそうだ。)
もしかすると、今頃沢田家には敵対ファミリーか、まだ綱吉のボス就任を認めて
いない内輪かが彼を暗殺に訪れているかも知れなかった。
そういえば、と思い出す。
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無事に彼と過せる様に、と天を仰ぐと、
まだまだ光を失わない夏の太陽が輝いていた。
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西條事情
店主:西條
リンク:同人サイト様のみ
店名:三日月商會
アドレス:http://blaueterra.blog.shinobi.jp/
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