三六五題弐拾八から参拾
三六五題
米日、リトポ、フィン+日の詰め合わせ
米日、リトポ、フィン+日の詰め合わせ
028. それで満足しましたか?
日本の体を引き倒す。
叩きつけた、その床からは畳の匂いがふんわりと匂った。
乱暴に着物の脚を割って、すべらかな内股を撫でると、微かに身じろぐ。
けれど抵抗はしない。
口で肩から着物をはだけて落とすと、華奢な、ほとんど肉のない肩にガリ、と音がするくらいに噛みつくと、漸く彼は思い出したように声を出した。
「っい…!」
「いたい?」
目をそらそうとするから、顎を掴んで固定する。
覗き込んだ眸には強い意志。
「誘ってるの?」
自然と口の端がつり上がる。
イライラとした時には必ず、よりつよく痛みつけるようにキツく抱く。
その後の彼の呆れた口調で言う言葉はいつも同じ。
憎らしくもなる。
さて、今日はどんな抱き方をしてやろう。
それをいう声さえ出ないように。
(これで…満足、しましたか)
029. メサイア
負けたくない。
弱音は吐けない。
強く、なりたい。
今日もそのためだけに生きる。
「リトアニア、君の泣く顔がみたいな」
悪魔のような囁きが耳を打つ。背筋が凍る。
漸く解放された今でも、逆らうのには全身の意識を集中させないとできないなんて、何て屈辱的な話だ。
「リトは俺とくるしー!お前なんかさっさとこっからでてけ!だし!」
そこに、少しだけ背の低い、暖かい背中。
「君は本当に…鬱陶しい。煩い、僕は君には言ってない。」
「はぁ~?リトは昔から俺のモンだってきまってるし~」
はんっと如何にもバカにしてます的にあしらう。
ようやく息が出来たような気がした。
ロシアさんは汚い物でも見るようにポーランドを見た後、一つ息をついて踵を返す。
「まぁ、いいや。」
「まぢファックだし!もーリト独りで歩かせたらかんな~。すぐあいつに引っかかるじゃん。気をつけなかん。」
むっとした様な表情をしているけれど、本当に凄く心配してくれているのは分かっている。
それを知られまいとするのは多分、自分なそんな感情を持つ資格がないと思っているからだろう。
ずっと幼い頃みたいに、自分との境界さへ分からないくらいに隣にいることは、出来ない。
(あの時、助けられなくて、ごめんね)
(あの時、助けられんくて、ごめん)
結局僕らは救世主になれないまま、恋も愛も、簡単な感情さへこじらせたまま、
030. 夢見る羊
恐ろしいくらいに青く澄んだ空に、鳥肌がたつ。
そうだ、あの日もこんな空をしていた。
夏の暑い盛りに、汗を額に浮かせながら人々は歩いていた。
とくに変わりのない。
私も同じく、変わらず。
けれど一瞬にして火の海と化す世界。人が、建物が、人々が築き上げた微かな幸せが、消え去った。
「っ…!」
声も出ない位の痛みが体中を襲う。
歯を食いしばる。
涙が流れた。
焼け付く痛みを感じた場所から、紅い、血が次々と流れ出す。
焼けた土地、人、それらが体を駆け巡った。
「日本さん、どうかしましたか?」
隣を歩いていたフィンランドさんが心配そうに覗き込んできた。
「もっ…!もももしやつまらなかったですか!?」
おひゃっと彼特有の叫びを上げながらおろおろとしているのを、平和だなと思い、にこりと笑って返した。
「そんなことないです。とっても楽しいですよ。」
ならいいんですけど…と未だに眉毛をハの字にしている。
「あ、そうだ、次はムーミンを見たいです。その後はサンタクロースで…」
「はっはい!もちろんです!まだまだ時間はありますから、ヘルシンキをもう少しご案内したら行きましょう?後でスーさんのところにも案内しますよ」
頷いて、また歩き出す。
この国は平和だ。
そして私の国も。
日本の体を引き倒す。
叩きつけた、その床からは畳の匂いがふんわりと匂った。
乱暴に着物の脚を割って、すべらかな内股を撫でると、微かに身じろぐ。
けれど抵抗はしない。
口で肩から着物をはだけて落とすと、華奢な、ほとんど肉のない肩にガリ、と音がするくらいに噛みつくと、漸く彼は思い出したように声を出した。
「っい…!」
「いたい?」
目をそらそうとするから、顎を掴んで固定する。
覗き込んだ眸には強い意志。
「誘ってるの?」
自然と口の端がつり上がる。
イライラとした時には必ず、よりつよく痛みつけるようにキツく抱く。
その後の彼の呆れた口調で言う言葉はいつも同じ。
憎らしくもなる。
さて、今日はどんな抱き方をしてやろう。
それをいう声さえ出ないように。
(これで…満足、しましたか)
029. メサイア
負けたくない。
弱音は吐けない。
強く、なりたい。
今日もそのためだけに生きる。
「リトアニア、君の泣く顔がみたいな」
悪魔のような囁きが耳を打つ。背筋が凍る。
漸く解放された今でも、逆らうのには全身の意識を集中させないとできないなんて、何て屈辱的な話だ。
「リトは俺とくるしー!お前なんかさっさとこっからでてけ!だし!」
そこに、少しだけ背の低い、暖かい背中。
「君は本当に…鬱陶しい。煩い、僕は君には言ってない。」
「はぁ~?リトは昔から俺のモンだってきまってるし~」
はんっと如何にもバカにしてます的にあしらう。
ようやく息が出来たような気がした。
ロシアさんは汚い物でも見るようにポーランドを見た後、一つ息をついて踵を返す。
「まぁ、いいや。」
「まぢファックだし!もーリト独りで歩かせたらかんな~。すぐあいつに引っかかるじゃん。気をつけなかん。」
むっとした様な表情をしているけれど、本当に凄く心配してくれているのは分かっている。
それを知られまいとするのは多分、自分なそんな感情を持つ資格がないと思っているからだろう。
ずっと幼い頃みたいに、自分との境界さへ分からないくらいに隣にいることは、出来ない。
(あの時、助けられなくて、ごめんね)
(あの時、助けられんくて、ごめん)
結局僕らは救世主になれないまま、恋も愛も、簡単な感情さへこじらせたまま、
030. 夢見る羊
恐ろしいくらいに青く澄んだ空に、鳥肌がたつ。
そうだ、あの日もこんな空をしていた。
夏の暑い盛りに、汗を額に浮かせながら人々は歩いていた。
とくに変わりのない。
私も同じく、変わらず。
けれど一瞬にして火の海と化す世界。人が、建物が、人々が築き上げた微かな幸せが、消え去った。
「っ…!」
声も出ない位の痛みが体中を襲う。
歯を食いしばる。
涙が流れた。
焼け付く痛みを感じた場所から、紅い、血が次々と流れ出す。
焼けた土地、人、それらが体を駆け巡った。
「日本さん、どうかしましたか?」
隣を歩いていたフィンランドさんが心配そうに覗き込んできた。
「もっ…!もももしやつまらなかったですか!?」
おひゃっと彼特有の叫びを上げながらおろおろとしているのを、平和だなと思い、にこりと笑って返した。
「そんなことないです。とっても楽しいですよ。」
ならいいんですけど…と未だに眉毛をハの字にしている。
「あ、そうだ、次はムーミンを見たいです。その後はサンタクロースで…」
「はっはい!もちろんです!まだまだ時間はありますから、ヘルシンキをもう少しご案内したら行きましょう?後でスーさんのところにも案内しますよ」
頷いて、また歩き出す。
この国は平和だ。
そして私の国も。
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店名:三日月商會
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