忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

三六五題十三、十四

三六五題
骸ツナ

013. no.13

十三番目の魔女は、きっと悲しくて悔しかったに違いない。


彼女は何をしたわけでもない。ただ、器が足りなかっただけで、パーティーに呼ばれなかったのだから。
さぞ、悔しかったろうに。
それは多分、今のこの胸を焦がす思いとにている。
胃がじりじりと重く、息苦しくなる程に。
「やあやあアルコバレーノ!ごきげんよう!呼ばれないながらやってきましたよ!」
「…チ、」
黒尽くめの彼の家庭教師は心底忌々しそうに舌打ちをしてボルサリーノを深く被る。
今日はボンゴレ十代目の結婚式だった。
「僕も一応ボンゴレの守護者なんですから、ね」
「…勝手にしやがれ」
去っていく虹の子供を見送りながら、視線を愛しいボンゴレへと向ける。
彼は目にも鮮やかな笑みを浮かべて、格下のファミリーのボスの挨拶を受けていた。
その隣で微笑む女。
どうやら東洋の血が混じっているらしく、天使のようなふわふわとしたブロンド…と言うわけでなく、綱吉とは正反対の、黒く艶のある真っ直ぐな髪の毛と、すっとした切れ長の瞳をもつ、けれど小柄な“美しい”女だった。
「…」
こうして見ていると、どこか違和感を覚えた。

「あっ骸!」
そうして見つめていたら、いつの間にか近くにまで綱吉が来ていたらしい。
女を連れて。
「やぁお久しぶりです、ボンゴレ。…綱吉くん、おめでとうございます」
うん、といいながら、隣でまつ女に紹介され、そして女を紹介される。ボンゴレの関係者の娘らしい。
「あぁ、まぁありがとう。お前、俺が出した招待状みたー?」「…いえ、何のことですか」
(アルコバレーノの仕業か)
ぐっと眉間にシワがよらないように注意して微笑む。
(僕ももう昔とは違う。)
無理に君を抱いたあの時とは。
「なんだよ、リボーンの奴…やっぱり細工したんじゃないか。…お前に頼みたいことがあってさ、ちょっと今からきてほしくて。」
「今…ですか、構いませんが…」
ちら、と女を見ると、綱吉はうん、と頷いて、女に席を外すようにと言った。


「どうしてこんなときに、て思うだろ」
会場を出て、庭の向こうにある小さな小屋を目指して歩きながら、綱吉は苦笑いで言った。
「いえ…」
ふ、と笑ったその顔が驚くほどに儚げで、一瞬消えてしまうかと思った。


014. 春のひとを想う

「骸!お早う!」
毎日毎日よくも飽きもせずくるものだ、と半ば感心しながら、気怠いまま起き上がる。
「ああ、おはようございます、ボンゴレ」
作り笑いで答えると、すぐさま「いや、別に無理して笑わなくていいから。迷惑なの知ってるし」と返ってくる。
それに一瞬、胸がチリリとした。
普通元敵だった男のアジトに独りで乗り込んで、以前にまだ朝が辛いと言っていたからといって、毎朝欠かさずにやってきたりはしないだろう。

「…迷惑だとわかっていてわざわざやってきているわけですか…」
ふんっと鼻で笑ってやると、さすがに怯むようにして一歩下がると、俯いた。
「まぁ、そうなんだけど……、あ!あのさ!」
「…なんです、」
「これ、母さんが作り過ぎたから…」
そう言って走り去っていった。
出る前に敷居に躓いてよろけていたのに少し笑みがこぼれた。
毎日毎日飽きもせずによくやると思う。
赤と青のノスタルジックなチェックのランチバッグを手に取ると、まだほんのりと温かかった。
季節はもう直ぐ春になろうとしている。
自分の胸のほのかな温かさの理由がようやくわかったきがした。

「綱吉くん…」
PR

西條事情

店主:西條

リンク:同人サイト様のみ
店名:三日月商會
アドレス:http://blaueterra.blog.shinobi.jp/
メルフォは下にあります。

contact

何かありましたらこちらへどうぞ