おまじない
身長についての話。リボーンとコロネロがじつは頑張ってました。
*
*
「絶っっ対におかしいと思うんだ!」
綱吉が、もう日が大分と傾き始めた執務室でだんっと机を叩いて言った。
「何だ」
「じ、十代目?」
「どうした、コラ」
三者三様で返事が返ってくる。彼らを一人一人見つめながら、出てくるため息に
、ずるり、と重厚な椅子に座り直した。
綱吉は今年で25になる。従って、隼人は同じく25、後の二人は今年でようや
く13になった。
しかし。
「何で俺だけこんなに背が低いんだよ!」
そう。隼人はイタリア人の父上の血が濃いのか、もともと初めて出会った時から背が高かったが、今ももうすぐ身長は180センチに届こうとしている。加えて、この、今年13のリボーンとコロネロだが、もうすでに綱吉と並ぶ勢いである。綱吉の童顔を見れば、身長は高くとも出かけたときに必ず「あら、お兄さんとお出かけ?」と言われるのだ。
「中学からちっとも伸びないよ!何で!どーして!俺だけ160センチ!」
父はどちらかといえば長身で、これはまぁ鍛えた賜だろうが、筋肉があってがっしりとした印象だった。
ところが何を間違ったかとことん母に似て生まれたせいで、女顔、どれだけ鍛えても華奢、身長が低いの三拍子揃っていまだにそれを脱出できない。
それこそ女形なら喜ぼうというものだが如何せん、こちとら家業はマフィアなんて横文字にすりゃかっこがつくが日本語だったら極道だ。
男らしくてなんぼの世界でこの顔に此の身長、この体つきでは舐められてたまったもんじゃない。
「…いいんじゃねぇか?その顔にはその身長で十分だろ」
しゃあしゃあとリボーンが宣った。その顔には微かに笑いが含まれている。
今年ようやく中学生に入学という年のくせに、纏う雰囲気といったら余程綱吉と年齢
を逆の年齢差にしてしまう方がいいんじゃないかという位。
「そうだぞ、コラ。綱吉はこれくらいが一番いいぞ、コラ」
そういうコロネロも軍人な雰囲気もさわやかに、きらりと白い歯でも見せて笑えば巷の女がぞろぞろとついてきてしまいそうなくらいに実年齢との差が激い。
「そうですよ十代目!あまり身長が大きくなられると護衛の精度が落ちますし!これくらいがお可愛らしいです」
なんとかフォローしようと隼人が紅茶とケーキを持って言うが。
「可愛い言うな!」
まぁ要はそういうことだ。
「隼人が身長高いのは仕方ないよ。でも武だって雲雀さんだって骸だって…まぁ皆最初から俺より背が高いし。でもね、こいつら!」
ビシィっと人差し指を突きつける。こいつら、とはリボーンとコロネロのことだ。
「…何だ」
リボーンがにやつきながら先を促した。
「成長早すぎるよ!何で!俺は高校卒業したときに157、その後3センチしか伸びなかった!のにさ!もう155センチに158センチてどういうことなのさ!」
ちなみに。男は二十代を半分までならまだ成長すると言われている。高校生…で
成長が止まるのは大抵女の子だ。
「160センチ!舐められるったらありゃしないよもう!」
日本でだって160センチの男はそうそういないだろう。皆、殆どが170はい
っているのだから。
「俺たちだけじゃないぞ、コラ。ヴァイパーもあの牛もそうだろ。」
ランボに至っては
「ボンゴレ十代目っ!」と言って近づいてきたかと思うと、179センチもの巨体でこれでもかというくらいに抱き締めて、頭の上に顎を乗せてくる。
腹が立つが、抵抗できない。
「………男として恥ずかしい…」
「気にするなよ。お前はそのまんまでいいだろ、コラ」
「そうだぞ、ツナ。やたらとデカイザンザスみたいに成るな。お前は今のままが一番いいぞ」
「そうですよ十代目!」
三人揃っての慰めに、ため息が止まらない。
(こいつら、全員俺より大きい若しくは大きくなるからって…)
「…まぁ、お前と俺たちじゃ、人種が違うからな。お前は世界でも背の低いやつが多い日本人。俺たちは背の高いやつが多い北の方のイタリア人。違いだな」
「ん—それにしたって—…」
リボーンはまだ膨れながら隼人が入れた紅茶をすすりながら、綺麗に盛られたケーキのセットをつついている綱吉を見ながら、コロネロと顔を見合わせてにやりと笑って、火花を散らした。
それもその筈。
年の差12歳は小さくない。男が若い女房を持つのとは訳が違う。
いくら物言いが、知識が、大人顔負けであったって身体は子供。どれだけ欲情したってアレがついて来ないんじゃ意味がない。
それに、速く成長しなければ、虫が多いのだこの花は。
故に、努力しているのだから!
「あと少しで追いつくな、ツナ」
「まて、俺の方が速いぞ、コラ!」
「あん?お前はそれで終いだ」
「なんだ、コラ!」
どちらかが先に成長すればそれだけ害が増える訳で。ボンゴレファミリーのみならず、隣近所同盟ファミリーやアルコバレーノまで巻き込んでアプローチを受けている綱吉(本人は野暮天すぎて気がつかないようだが)だから、こちらも焦る。
毎日毎日密かに身長を伸ばす為にあれこれやっている二人だった。
「ま〜どっちが160センチに先に到達するかは置いといて…確かランチアさんって身長190センチ越えてたよね〜…」
「え」
「あ」
間抜けな返事が口から飛び出る。隼人は隣で「そうっすね。あ、ザンザスの野郎も188は越してましたね」なんて暢気に言っている。
「そっか、そうだよね〜。ランチアさんもザンザスさんも、何処と無く雰囲気似てるよねそういえば。ああいう感じの人は強面で筋肉質で、おっきいけど温かいよね〜」
綱吉の顔に「かっこいい」と描いてある。
「寝る子は育つって言うし、これからランチアさんとザンザスさんと一緒に寝ようかな!そしたらいつの間にか身長が伸びそうだ」
「断じてないぞ」
「そうだぞ、コラ」
「じ、十代目!そんな!」
かくして。
そんなこんなで身長について一頻り文句を垂れて最後には訳の分からない解決法を発見した綱吉だが、残念ながら全否定を受けて敢えなく却下されたとか。
しかし、後日、朝の日課に訪れた隼人が
「十代目、お早うござい…………!」
と言ったきり、涙を流して立ち去ったり、
「綱吉、入る……よ…」
と雲雀が猛然と怒りをぶつけにトンファー片手に走り出したりと奇妙な事があった。
「久しぶりだな、綱吉………」
「あっ久しぶりですランチアさん!」
何週間かぶりにやってきたランチアは、部屋の中のベッドの枕元をみて思わず赤面した。
「その…その写真…は?」
「ああ!これですか!おれ、どうしても身長を伸ばしたくって…だから、一番背の高いランチアの写真を飾って毎日お祈りしてから寝るんです!おまじないです!」
「…………な、成る程…」
その後、そのままの綱吉が一番いい、とランチアは説得したとかしないとか。
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私の中で綱吉は何歳になってもなんっか幼いってかもー年齢不詳のままでいいかななんて思ってます。ええ。いつまでも14歳のままなんですツナは。それがそのまま色香をもったかんじに。。
対してリボーンは必死に身長を伸ばそうと頑張ったかいあって早々にツナより大きくなって襲うんですね!イメージはディアマインの風茉です。微笑ましいw
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「絶っっ対におかしいと思うんだ!」
綱吉が、もう日が大分と傾き始めた執務室でだんっと机を叩いて言った。
「何だ」
「じ、十代目?」
「どうした、コラ」
三者三様で返事が返ってくる。彼らを一人一人見つめながら、出てくるため息に
、ずるり、と重厚な椅子に座り直した。
綱吉は今年で25になる。従って、隼人は同じく25、後の二人は今年でようや
く13になった。
しかし。
「何で俺だけこんなに背が低いんだよ!」
そう。隼人はイタリア人の父上の血が濃いのか、もともと初めて出会った時から背が高かったが、今ももうすぐ身長は180センチに届こうとしている。加えて、この、今年13のリボーンとコロネロだが、もうすでに綱吉と並ぶ勢いである。綱吉の童顔を見れば、身長は高くとも出かけたときに必ず「あら、お兄さんとお出かけ?」と言われるのだ。
「中学からちっとも伸びないよ!何で!どーして!俺だけ160センチ!」
父はどちらかといえば長身で、これはまぁ鍛えた賜だろうが、筋肉があってがっしりとした印象だった。
ところが何を間違ったかとことん母に似て生まれたせいで、女顔、どれだけ鍛えても華奢、身長が低いの三拍子揃っていまだにそれを脱出できない。
それこそ女形なら喜ぼうというものだが如何せん、こちとら家業はマフィアなんて横文字にすりゃかっこがつくが日本語だったら極道だ。
男らしくてなんぼの世界でこの顔に此の身長、この体つきでは舐められてたまったもんじゃない。
「…いいんじゃねぇか?その顔にはその身長で十分だろ」
しゃあしゃあとリボーンが宣った。その顔には微かに笑いが含まれている。
今年ようやく中学生に入学という年のくせに、纏う雰囲気といったら余程綱吉と年齢
を逆の年齢差にしてしまう方がいいんじゃないかという位。
「そうだぞ、コラ。綱吉はこれくらいが一番いいぞ、コラ」
そういうコロネロも軍人な雰囲気もさわやかに、きらりと白い歯でも見せて笑えば巷の女がぞろぞろとついてきてしまいそうなくらいに実年齢との差が激い。
「そうですよ十代目!あまり身長が大きくなられると護衛の精度が落ちますし!これくらいがお可愛らしいです」
なんとかフォローしようと隼人が紅茶とケーキを持って言うが。
「可愛い言うな!」
まぁ要はそういうことだ。
「隼人が身長高いのは仕方ないよ。でも武だって雲雀さんだって骸だって…まぁ皆最初から俺より背が高いし。でもね、こいつら!」
ビシィっと人差し指を突きつける。こいつら、とはリボーンとコロネロのことだ。
「…何だ」
リボーンがにやつきながら先を促した。
「成長早すぎるよ!何で!俺は高校卒業したときに157、その後3センチしか伸びなかった!のにさ!もう155センチに158センチてどういうことなのさ!」
ちなみに。男は二十代を半分までならまだ成長すると言われている。高校生…で
成長が止まるのは大抵女の子だ。
「160センチ!舐められるったらありゃしないよもう!」
日本でだって160センチの男はそうそういないだろう。皆、殆どが170はい
っているのだから。
「俺たちだけじゃないぞ、コラ。ヴァイパーもあの牛もそうだろ。」
ランボに至っては
「ボンゴレ十代目っ!」と言って近づいてきたかと思うと、179センチもの巨体でこれでもかというくらいに抱き締めて、頭の上に顎を乗せてくる。
腹が立つが、抵抗できない。
「………男として恥ずかしい…」
「気にするなよ。お前はそのまんまでいいだろ、コラ」
「そうだぞ、ツナ。やたらとデカイザンザスみたいに成るな。お前は今のままが一番いいぞ」
「そうですよ十代目!」
三人揃っての慰めに、ため息が止まらない。
(こいつら、全員俺より大きい若しくは大きくなるからって…)
「…まぁ、お前と俺たちじゃ、人種が違うからな。お前は世界でも背の低いやつが多い日本人。俺たちは背の高いやつが多い北の方のイタリア人。違いだな」
「ん—それにしたって—…」
リボーンはまだ膨れながら隼人が入れた紅茶をすすりながら、綺麗に盛られたケーキのセットをつついている綱吉を見ながら、コロネロと顔を見合わせてにやりと笑って、火花を散らした。
それもその筈。
年の差12歳は小さくない。男が若い女房を持つのとは訳が違う。
いくら物言いが、知識が、大人顔負けであったって身体は子供。どれだけ欲情したってアレがついて来ないんじゃ意味がない。
それに、速く成長しなければ、虫が多いのだこの花は。
故に、努力しているのだから!
「あと少しで追いつくな、ツナ」
「まて、俺の方が速いぞ、コラ!」
「あん?お前はそれで終いだ」
「なんだ、コラ!」
どちらかが先に成長すればそれだけ害が増える訳で。ボンゴレファミリーのみならず、隣近所同盟ファミリーやアルコバレーノまで巻き込んでアプローチを受けている綱吉(本人は野暮天すぎて気がつかないようだが)だから、こちらも焦る。
毎日毎日密かに身長を伸ばす為にあれこれやっている二人だった。
「ま〜どっちが160センチに先に到達するかは置いといて…確かランチアさんって身長190センチ越えてたよね〜…」
「え」
「あ」
間抜けな返事が口から飛び出る。隼人は隣で「そうっすね。あ、ザンザスの野郎も188は越してましたね」なんて暢気に言っている。
「そっか、そうだよね〜。ランチアさんもザンザスさんも、何処と無く雰囲気似てるよねそういえば。ああいう感じの人は強面で筋肉質で、おっきいけど温かいよね〜」
綱吉の顔に「かっこいい」と描いてある。
「寝る子は育つって言うし、これからランチアさんとザンザスさんと一緒に寝ようかな!そしたらいつの間にか身長が伸びそうだ」
「断じてないぞ」
「そうだぞ、コラ」
「じ、十代目!そんな!」
かくして。
そんなこんなで身長について一頻り文句を垂れて最後には訳の分からない解決法を発見した綱吉だが、残念ながら全否定を受けて敢えなく却下されたとか。
しかし、後日、朝の日課に訪れた隼人が
「十代目、お早うござい…………!」
と言ったきり、涙を流して立ち去ったり、
「綱吉、入る……よ…」
と雲雀が猛然と怒りをぶつけにトンファー片手に走り出したりと奇妙な事があった。
「久しぶりだな、綱吉………」
「あっ久しぶりですランチアさん!」
何週間かぶりにやってきたランチアは、部屋の中のベッドの枕元をみて思わず赤面した。
「その…その写真…は?」
「ああ!これですか!おれ、どうしても身長を伸ばしたくって…だから、一番背の高いランチアの写真を飾って毎日お祈りしてから寝るんです!おまじないです!」
「…………な、成る程…」
その後、そのままの綱吉が一番いい、とランチアは説得したとかしないとか。
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対してリボーンは必死に身長を伸ばそうと頑張ったかいあって早々にツナより大きくなって襲うんですね!イメージはディアマインの風茉です。微笑ましいw
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西條事情
店主:西條
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