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胸の蠟燭

骸ツナです。今週の本誌を読んで。。骸に負けて欲しくないなーーっと思いながらw

骸しか出てきません。
*
*
君が知りたいと言うから、

一人君の元を離れた。

君が好きだと言うから、

髪を伸ばす。



あのひ、君に行ってきますと言えていたら、こんな気持にはならなかったろうか。

それとも人とは欲深いものだからもしもを想うだろうか。



でもせめて、あの日君に愛してると伝えて、出かける前にキスをして、細い体を腕に抱いて、髪、体の香りを胸一杯に満たしていたなら。



ねぇ、もう、怒ってないですから。だから、はやく帰ってきて下さいよ。

一体何処に行ってしまったんですか。僕の目が届かないところに隠れているんですか。



君の好きなお茶も、美味しいと言ってくれたドルチェも、みんなみんな用意して待ってますから、だから、

だから、

だから

君がもうこの世に居ないなんて冗談だよと笑って心配して、不安でどうしようもない僕の頬を撫でて、髪をすいて下さいよ。








まいったな、と骸は思った。

考えが甘かったのだろうかなんて考えはしない。例え誰であろうとも、ボンゴレ十代目である沢田綱吉以外はこの身体は不可侵だ。

しかし今、右目を襲う灼熱感。押さえた手のひらにべったりとまとわりつく錆び付いた匂いを放つそれに、否応なしに身体の自由を奪われる。

無様に片膝を着いた自分の姿を、彼ではなく目の前の白い敵に見せているのはひどく不愉快だ。

先ほどからざわつく胸に、何かの予知なのかと気をとられる。



(綱吉くん…ですか)



クロームに呼びかけても、弱々しく何事かを考えているようで返事がない。今のこの状態では体を八つ裂きにされるだけでは済まされないようだ。

早く戻ってこの情報を、誰かに伝えてなければと思うが、生憎伝えられた彼はこの世にいないかのように居場所がつかめない。

これで終わりか、と諦めにはいる。元はと言えば綱吉その人のためにしていた仕事だし、ボンゴレというマフィアには興味が無い。

(やれやれ…それにしてもこんな男に…というのも嫌なことですね…。どうせ死ぬなら綱吉くんの手で死にたい)

と、いうことは今ここで果てる訳には行かない、かと完結して、目の前の敵を見据えた。

ふと、先日、彼の元からこちらへやってきた時のことを思い出した。

くだらないことで喧嘩をして、ふてくされながら泣いているかれを放ってこちらにきた。

あのときに、感じたどことない嬉しさ。

暖かさ。



(綱吉くん?)



そのとき、胸に、今までどんなに探っても見つからなかった愛しい人の気配を感じた。

情報では射殺されたと聴いた。そんな、敵の情報を信じる訳もないが、けれど気配が途絶えたのも事実。
やはり彼は死んではいなかったかと思った。が。

瞬時にそれが、彼であって彼でないことに気がついた。

(十年前の、君か)

彼でない。けれど、これで希望ができた。十年前ならば、彼も若く、そしてなにより人の血にまみれていないから。

ああ、早く逢いたい。

(十年前の君は僕を受け入れてくれるんですかね)





嗚呼、なんて暖かい。

胸が焼けるくらいに暖かい。

これを感じているだけで、何も考えずに戦える気がした。



僕は、君の守護者ですから。




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